第2話 シンゾーとキンペイ

文字数 610文字

日本の居酒屋で、シンゾーとキンペイがオフレコ対談をしているようです。
あんたんとこも香港がみっともないことになってますなぁ。
おかし〜な、武装警察使ってるのにちっとも静かにならねーしさ。催涙ガスが効かねーな。
そう、民衆をゴキぶりみたいに言わないでください。
自慢じゃないが、オラの国に人権はない。
お通しでーす。
中居が、キンペイをチラッと見てオニオンスライスをもって来る。
なんだこりゃ、日本人は玉ねぎを生で食うのか?
キンペイ、ギョッとする。
オニオンスライスですよ。かつぶしの上から醤油を回しかけて頂くんです。
シンゾー笑いながら、醤油を回しかけて笑う。
うっ。なんだか目にしみて涙目になるなぁ。
キンペイ、ハンカチで涙目を拭う。
ふっふっふ。もーシンゾーに悪いことはやめたらいい。
シンゾー、オニオンスライスをかきこむ。

シンゾー、なぜか根拠のない勝利のわらい。

おーいかけて〜雪〜国〜♪
店内に演歌「雪国」が流れる。
日本人はね、寒くなるとねこれを愛用してるんです。
シンゾー、バッグから黒マスクを取り出す。
げげっ?おまえまで黒マスクしてるのか、気色悪。
日本製は、ウイルスを99%カットできる優れモンです。あんたもやったら?
シンゾーが一つ手渡す。
あっ、こりゃ具合がいいや。俺もしよっと。
キンペイ、黒マスクして満更でもない様子で、ニコニコ。
そろそろ冬ですね。
シンゾー、天井を仰ぐ。
黒竜江省は真冬になるとマイナス三十度以下にまでなる。肉まんくいてー。
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