3 文明の構造が分かれば、SDGsが分かる!

文字数 1,330文字

持続可能性(サステナビリティー)といえばSDGs(エスディージーズ)すなわち、
サステナブル・ディベロップメント・ゴールズという用語があります。
これは世界が2016~30年に達成すべき目標を国連で定めた、
国際的な総合政策です。

一般に、持続可能な〝開発〟目標と訳されますが、
developmentは〝発展〟とも訳せます。
また技術だけ、経済・社会だけ、政策だけではない、
〝文明発展〟の目標といえるでしょう。

その目標は全部で17、細目だと169もありますが、
大きな分類要素は5つです。
これらの要素は、〝文明の星〟理論における、
政策の4分類で説明することができます。

SDGsの5つの要素は5Ps(ファイブピーズ)と呼ばれ、
地球(Planet)、繁栄(Prosperity)、人々(People)、
平和(Peace)/協働(Partnership)であり、
環境・経済・社会・政策という4つの持続可能性に対応します。

では、政策の分類はどうでしょうか?
なんと〝文明の星〟理論では政策もまた、
社会を健全に保つ経路(ルート)により、
技術と対称的な形で、4つに分類できます。



 

文明の両輪ともいうべき技術と政策が、
完全に左右対称な構図で説明できてしまうのです!
これは、文明の構造ということができましょう。
もしも自分がその第一発見者だったら、嬉しいです。




政策の分類に話を戻しますと、その第一は、
経済・社会活動に直接働きかけて人々の利害を調整し、
再生産と再分配(いわば種籾(たねもみ)と食用米)を最適化する
経済・社会政策であり、これは直接ルートといえます。

第二は、人々の健康や教育を維持・増進して、
政策を作り、活かし、改善できる人的資源を確保する、
保健・教育といった人的資源政策です。
これは必要条件を確保する、間接ルートです。

第三は、財務・組織、人材育成・確保、
施設整備・技術利用などの、行政管理政策です。
これは、広い意味では経済・社会活動の一部でもある、
制度・政策自身の健全性を保つ、自助ルートです。

第四は、技術の健全な開発・普及を促すための、
研究・開発政策や社会基盤(インフラ)政策、
社会工学的政策という技術的(ハード的)政策です。
これは、技術との互助ルートにあたります。

では、SDGs(エスディージーズ)の5要素と以上の4政策は、
どう対応するのでしょうか?

環境の持続可能性についての〝地球(Planet)〟は、
主として技術的政策に対応すると思います。
富の生産(安全含む)に関わる科学・技術の、
悪用・誤用や副作用を防ぎ、健全に活用する政策です。

経済の持続可能性についての〝繁栄(Prosperity)〟は、
経済政策に対応します。
技術を産業に役立て、景気過熱(バブル)や不況を防ぐなどして、
富の再投資を健全に保つ政策です。

社会の持続可能性についての〝人々(People)〟は、
社会政策・人的資源政策に対応します。
公的保険や社会福祉と保健・教育は関係が深いので、
まとめて扱われることが多いです。

政策の持続可能性についての
〝平和(Peace)/協働(Partnership)〟は、
政策の国際化、民主化や官民協働が求められている、
行政管理政策に対応します。

この章では、持続可能性(サステナビリティー)の確保に必要な
総合政策であるSDGs(エスディージーズ)がもつ、
論理的な政策分類に沿った、合理的な体系について、
〝文明の星〟理論から説明することができました。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み