第十九話『町長』
文字数 1,457文字
シャルロッテ達と魔物使いの男達は町の中心にある大きな建物に到着。
中に入り、会議室のような場所へと案内された。
はいはい、どうもご苦労さま。
この方がこの町の町長、マチナガ様である！
ああ、流石に町長はまともみたいだ。
これなら話が通じそうだな。
オホンッ。
おや？そこにいる少女は……？
あの女はセルルという名で、
その隣にいる魔物達を従えている者です。
その後ろにいる男もまた、魔物使いのようですな。
言っておきますけど、私達はあのギャングとは無縁です。
濡れ衣なんです。だからさっさと解放してください。
ほほう……キミ、歳はいくつだね？
え、歳は１０ですけど……。
ほほぅ……。
じゃあきっとお肌もスベスベだろうねぇ……。
ねえ、セルルちゃん。相談があるんだけど、
ほんのちょっとでいいから、わしにスリスリさせてくれないかい？
まともじゃなかった。
寧ろヤバイ奴だった。
……は？
あ、スリスリはいやだったかい？
だったらおっぱいモミモミでも……。
何言ってんだこいつ。
こいつロリコンかよ。マジできめぇ。
さすがの俺様も引くわ……。
初めてお前らの言葉に同意するわ。
町長、ここはお触りバーじゃないんです。
そういう発言は謹んでいただきたい。
いや、今の町長解任されるレベルの爆弾発言だろ……。
誰だよ、こんな奴を町長に任命したの……。
貴様、町長に対して"こんな奴"とはなんだ！
なんて無礼な口を叩くのだ！
だめだよシャルロッテ。
これから説得する相手の心証を損なうような言葉を浴びせちゃ。
そうだぞ。
別に町長がロリコンでもいいじゃねーか。
ま、好みは人それぞれだからな。
おれっちは、三十路くらいの女が好みだぜ。
お前らは今の町長の発言に少し危機感を覚えろ。
どう考えても仲間のピンチだぞ。
まあまあ、わしはその程度で怒ったりしないよ。
しないから、セルルちゃん、おっぱい揉ませて。
干からびて死ね。
ぶるわぁぁぁあああ！
貴様、町長に対して"死ね"とは無礼にも程があるぞ！
今すぐ訂正してお詫びしろ！
当たり前の反応だろ……。
まずお前は町長が無礼なことを言ってることに気づけ。
町長はお疲れなのだ……。
日頃からギャングやクレーマーやチンピラなど
色々な輩に頭を悩ませている。
おっぱいの一つや二つ、要求したくなるのも道理であろう。
そんな道理があってたまるか。
そんで、俺達はいつになったら解放されるんでぃ！
奴等の仲間じゃないってのは、
町の人たちに聞けばわかることだろーがよ！
しかし貴様らが奴等の仲間じゃないという明確な証拠もあるまい。
無実を訴えるならば、法廷で話をつけようではないか。
ちょっと！
それじゃあ、何日もあの留置所にいなきゃいけないじゃない！
冗談じゃないわよ！
そうだそうだ！
大体、俺達が奴等の仲間っていう証拠もないだろ！
『疑わしきは罰せず』が人の道理じゃないのかな？
むぅ……。
町長、いかが致しますか？
うーむ……。
よし、ならばこうしようじゃないか。
何か妙案があるのですか？
セルルちゃん以外は一時的に解放。
セルルちゃんは１日、わしの家で過ごすのだ。
お互い、よーく話し合えば、無実も証明できるだろう。
なるほど。
"なるほど"じゃねーよ。
町長、絶対にいかがわしいこと考えてるよね？
ほっほっほっ。それはないよ。
あ、そうそう、わしの家のお風呂はとても広くてね。
二人ぐらいだったら充分入れるぐらいのスペースが……。
このジジィ、一緒に風呂に入ろうとしてやがる。
引くわ……。
おい、そこの兵士！
まずこいつを逮捕しろよ！
こいつ絶対に野放しにしちゃいけない奴だぞ！！
町長の提案に、シャルロッテ達はどう答えるのであろうか？
