第十話『撃破』

文字数 1,358文字

マーネの真の姿は蛙だった!
意外な姿に驚く一同。さあ、どう立ち向かう!?
さて、どんな攻撃で遊んでやろうかな……!
これが奴の真の姿か!
小さくなったが、その分、余計に攻撃が
当たらなくなったってことだな、チクショー!
全く、見た目に惑わされてはいけない
という見本のような相手だよ。
くそっ!
どうやって攻めればいいのか、全くわからねえ……!
傍からみると、こいつら何寝ぼけたことを
言ってんだって思われるだろうな。
よーし、この技で遊んでやる!
マーネは大きく膨れると、
そのままボールのように転がり始めた。
くっ……!
な、なんて早さだ!
だ、だめだ!
早すぎて動きを捉えることができないよ!
ニャン達は攻撃を仕掛けるも、
マーネの素早い動きに翻弄されてしまい、
攻撃を当てることができない。
逆にマーネはそのスピードの勢いで、体当たりの攻撃をしかける。
その攻撃で全員が弾き飛ばされ、フジサンが粉々になった。
フジサーン!
ちくしょう、よくもやりやがったな!
クックック!まずは一匹!
体当たりでこれだけのダメージなんて……!
何て奴なんだ……!
(もうコイツが当たり前のように
 復活することに関しては突っ込む気力もないわ……)
次はうんこ、貴様の番だ!
そして次はそこのスケルトン!
最後にこの俺様をコケにした白い狸、貴様だ!
その前にお前はフジサンが何事もなく復活してる事に
何らかのリアクションを起したほうがいいと思うんだ。
さあ、うんこ野郎め!
覚悟しろ!貴様はこの俺様が丸呑みにしてやるぞ!
聞けよ私の話……。
ていうか、うわぁ……。
傍から聞いているとただの変態だこれ……。

マーネが大将に向かって舌を伸ばす。
く、くそったれめ!
さっきのダメージで、体が思うように動かせねえ!
た、大将ーっ!
そうはさせないよ!
マーネの舌が大将を絡めとろうとしたその時、
フジサンが身を挺して大将を庇う。
大将に絡まるはずだった舌は、フジサンに絡まった。
そして、フジサンはマーネの腹の中に飲み込まれていった。
ちっ、邪魔が入ったか!
だが、これでまた一匹、貴様らの仲間は消え去った!
そいつ、あんたがさっきバラバラにしたのと
全く同じ奴なんだけね。
あ、あいつ……!
おれっちを守るために自分の身を犠牲にしやがって……!
しかし、次の瞬間。
マーネが突如、お腹を抱えて苦しみだした。
ぐぁぁああああー!
な、なんだ!は、腹が……腹が膨れる……!
マーネの腹はどんどん膨れていき、
そして大きな音を立てて破裂した。
バ、バカな……!
こんな、こんなことが……!
マーネは断末魔をあげて、
そのままひっくり返って気絶した。
あんな少しの衝撃でバラバラになる奴を飲み込めば、
そりゃ、腹の中がえらいことになるわな。
こいつ、確かに強いけど物凄くアホだったな。
そ、そうか!
フジサンの奴はこれを狙っておれっちの変わりに……。
自分の身を犠牲にしてマーネの奴を倒すなんて……!
それに比べて俺は……!

彼の犠牲を無駄にしてはいけない。
さあ、早くマーネに囚われた奴隷たちを解放しよう!
犠牲になったのお前だろ!!
なんのコントだよこれ!!
どこから突っ込めばいいんだよ、これ!!
私以外にまともな奴はいねーのか!!
フジサンが犠牲になったことにより、
強敵であるマーネを撃破したニャン一行!
しかし、悲しみにくれている暇はない。
奴隷達を解放するためにニャン達は先に進むのだ!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ニャン・ウォン

猫のような狸のような微妙なモンスター。
レアらしく、自分と同じ容姿をしたモンスターがいない。
この物語の主人公。弱い。

リブ・ロース

元ミノタウロス。あだ名はリロ。
勇者PTに抹殺されてスケルトンに生まれ変わる。
魔法が使える。

大将 


すし屋を営んでいる素敵な形のおじさん。
力が強くて情に厚い。
皆は大将と呼んでおり、本名は謎。種族も謎。

フジサン


活火山。 
よく粉みじんになって死ぬ。
でもすぐ復活できる。
性別はたぶん男。

セルル


魔物使いの女の子。

半ば強引にニャン達を自分たちの使い魔にする。

基本的に常識はある方だが大ボケをかますことも。

自分に対して無礼を働く相手に対しては非常に毒舌。

魔王様

魔物達の社長。
偉い。強い。カッコいい。

ずんだもち

勇者。
王に忠誠を誓うフリをして
いつかこの世界を掌握しようと目論んでいる。
夢は世界征服。
とても強く、他人の家の財産を平気で奪っていく
最低最悪の勇者の鏡。

ベンジャミン

戦士。
うざい。すごくうざい。とにかくうざい。
本当にうざい。死ぬほどうざい。
他のメンバーにいつも酷い言葉で罵声を浴びせられているが
全く気にしない強靭な精神力を持つ。

くるぶし

賢者。
勇者メンバーの中で一番理性的な男。
しかし性格は悪く、賢者と思えないような発言を平気でする。

きしめん

武道家。
口が悪いヤンキーのようなやつ。
よく魔物をカツアゲし、全財産を奪っている。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色