第5話、本気のお姫様はハッピーエンドはわしづかみ

文字数 789文字

ぎゅっと魚太郎はワレハを抱きしめたはずなのに、気づけば機械を抱きしめていた。

「違う!」

まさか、夢だったのか? それにしては、まわりの魚たちの様子がおかしかった。

「ぎゃあああああ!!」
「うおおおおおお!!」

驚きおののいて、逃げて行ってしまう。

それもそのはずである。魚たちは、魚太郎が死んだものだと思っていたのだ。そして、魚太郎の縄張りであるこのあたりにうはうはとやってきていたのだ。それが急に現れたものだから、おったまげて叫んで逃げていったのだった。

そんなことは魚太郎は知らないので、ぶんぶんと機械を振ってどうにかもう一度ワープできないか試してみたりしたが、機械はうんともすんとも言わなくなっており、真っ暗で動かない。しかたなく、魚太郎はだらだらしてしばらく過ごすしかなかったのだった。

「歩くかな」

ワープができないので、しかたなく魚太郎は歩くことにした。大きくなった魚太郎は手で魚をわしづかんでは丸呑みしていた。口も大きいから良く飲み込めた。しかし、歩いても歩いても、深海から宇宙へはワープできなかった。

機械もすっかり動かないままである。

しかたなく、魚太郎はあるきに歩いて、陸に出てきた。海面から顔を出すと、夜空にはたくさんのUFOが飛んでいた。

「発見! 発見! こちら、WW801801号陸にて魚人らしき存在を発見」

ぱっと魚太郎はライトアップされた。

ぱああああああああ

とワープして大きなUFOがやってきた。ぱかっと下が開くと、ぱああああと光輝きながら、ワレハは降りてきた。

「魚太郎様~~!!」

スローモージョンでワレ ワレハは魚太郎の胸に飛び込んだ。魚太郎も今度こそワレハを抱きしめた。そして、二人が抱きしめ合っているところを、UFOがぱあああああと拾ってWW星にワープしたのだった。

こうして正真正銘二人はくっついた。

その後も、いちゃいちゃらぶらぶ楽しく暮らしましたとさ。

おしまい

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