第3話

文字数 560文字

三月二十三日(金)
友樹
 俺は決心した。殺してしまおうと。自分でもなんでこの答えに行きついたのかわからない。こうしなければ一生信吾に見下されて生きてくことになる。だけどあいつは殺さない。信吾を殺してしまえば俺に疑いの目が向くのは分かっている。俺だと思って調べてしまえば、証拠をつかまれる恐れがあるからだ。だから殺すのは夏海にする。案の定夏海と信吾は毎日一緒にいる。だから一人になってしまえば殺すのは簡単だ。自分で自分を怖がるのは初めてだ。身震いが止まらない。凶器はそこら辺にあった石だと思わせるために原始人が作っていたような石に取っ手がついたものにする。実行は明日の真夜中だ。そして雨だろうと晴だろうとレインコートを着る。血しぶきがついても分からないようにするためだ。実行したら連絡を取っておいた居酒屋にレインコートを紙にくるんでごみ集積所に行った後行き、友達と飲む。そうすればアリバイは完璧だ。明日は紙ごみの日なのでとっても運がいい。もう覚悟は決めた。信吾が苦しむのなら俺は逮捕されてもいいかもしれない。

朝陽
どうしよう。夏海が許せない。なんでだ?どうしてなんだ?何も考えたくない。
もう諦めた方がいいのかな。とっくに気持ちは傾いていたってことだよな。思考がどんどんネガティブになっていく。
ああ、何もかもが嫌だ。

 
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