(三)-4

文字数 298文字

 黒松内署の事件では下沼兄弟の両方が容疑者になり得たが、すでにその弟が変死体で見つかった。ホロプス山荘の事件でも、七つの遺体の他に八つめの指紋が見つかっていることから考えて、この下沼兄弟の兄である勇が両方の事件の鍵を握っていると考えられた。
 このような経緯で、下沼勇は重要参考人として行方を追うことに決まった。
 さらに東大阪の下沼勇の自宅アパートへの家宅捜索令状を請求することも決まった。これはすでに黒松内署の方から申請され発行されていたが、別の事件扱いとされていたので、朝一番で改めて申請し、発行され次第家宅捜索に入ることになった。このときに鑑識も入り、指紋を採取することも決められた。

(続く)
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