第1話
文字数 1,557文字
「文化の日」の朝8時前、自分は山形県の国道7号線を秋田方面に車のハンドルを握っていた。ラジオからは YBC 山形放送が流れていた。とその時、放送が中断し、アナウンサーから
「只今、総務省から緊急速報が入りました。本日、朝、7時40分過ぎ?に北朝鮮からミサイルのようなものが日本海に向けて発射された模様です。山形県、新潟県、宮城県には緊急情報が発出されました。」
とのことだった。
【 Jアラート】とは、弾道ミサイル情報、緊急地震速報、津波警報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を携帯電話等に配信される緊急速報メール、市町村防災行政無線等により、国から住民まで瞬時に伝達する全国瞬時警報システムのことである(総務省消防庁のホームページから引用した)。
それから間もなくして、携帯電話に緊急速報を伝える着信サイレン?というか警告音がけたたましく鳴り響いた。
さらに驚いたことに、カーナビの画面の右半分が真っ赤になった。「瞬時警報システム発出1件」(←何分 、運転中のことなので、うろ覚えで済みませんです)と表示されていた。
それから、ラジオのアナウンサーの語り口が急に機械的になったような気がした。「新潟県、山形県、宮城県にはミサイルのようなものが落下する、または上空を通過する危険性があります。落ち着いて行動して下さい。」
そこからがさすが、地元の YBC山形放送だ。「山形県の皆さん、近くの地下に避難して下さい(←周囲は田んぼで地下はないんですけど…)地下がない場合は、近くの頑丈な建物の中に避難して下さい(←今、国道7号線を走っていて、信号は青、車の流れは順調なんですけど…)。建物の中では窓から離れたところに避難して下さい。建物もない屋外では、近くの物陰 に身を隠して下さい(←物陰 ? あそこに見える木の陰に身を隠す?)。物陰 もない場合は、地面に伏せて身の安全を確保して下さい(←刈り取りの終わった田んぼに伏せるか…?)。」
以下、繰り返し。国道7号線の車の流れに変化はなく、いつもと同じだった。
ふと思った。山形県には一番安全とされる地下壕や地下室は少ない。自分の知る限りでは庄内では国道7号線と47号線にある周囲が田んぼの数カ所の横断地下道しか思い浮かばない。およそ避難には程遠い。山形市内ですら、山形市役所庁舎の地下1階、山形市済生館前地下駐輪場、山形駅東西地下道、鉄砲町地下横断歩道、そして市内のホテルの数ヶ所の地下駐車場くらいしかないのでは…? 具体的な避難指示の内容が、地域の現状とずれている気がした。
今、世界を見渡すと、ウクライナの国内では、ロシアからいつミサイルが飛んできても不思議ではない。こうやってミサイルの緊急避難情報を伝える J アラートが作動しても、あそこではない、ここはダメだなどと避難場所がないことを面白可笑 しく言ってられる日本は、ホントに平和なのだと思う。
一刻も早い世界平和を願う。
実はその日は由利 高原鉄道の写真を撮りに行ってきた。
由利高原鉄道は、秋田県で鳥海山麓 線を運営する第三セクターの鉄道会社だ。秋田の米どころの田んぼ、鳥海山、子吉川など日本の原風景の中をゆっくりと走る列車は、地域住民の足ばかりでなく観光列車としても人気がある。
写真は黒沢駅 11時08分発の下り列車である。
この写真を撮った直後から、一転 空に雲がわき雨になった。雨の降り出す時間まで、まさに天気予報の通りだった。
帰りの車のラジオで、J アラートが発出された時間がミサイル発射後2分経過してからだったことが今後の課題として指摘されていた。
ん~、某国のトップ(独裁者?)の命令を予測することは、自然現象である天気を予測することよりもはるかに難しい。ふ~。
んだの。
(2022年11月)
「只今、総務省から緊急速報が入りました。本日、朝、7時40分過ぎ?に北朝鮮からミサイルのようなものが日本海に向けて発射された模様です。山形県、新潟県、宮城県には緊急情報が発出されました。」
とのことだった。
【 Jアラート】とは、弾道ミサイル情報、緊急地震速報、津波警報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を携帯電話等に配信される緊急速報メール、市町村防災行政無線等により、国から住民まで瞬時に伝達する全国瞬時警報システムのことである(総務省消防庁のホームページから引用した)。
それから間もなくして、携帯電話に緊急速報を伝える着信サイレン?というか警告音がけたたましく鳴り響いた。
さらに驚いたことに、カーナビの画面の右半分が真っ赤になった。「瞬時警報システム発出1件」(←
それから、ラジオのアナウンサーの語り口が急に機械的になったような気がした。「新潟県、山形県、宮城県にはミサイルのようなものが落下する、または上空を通過する危険性があります。落ち着いて行動して下さい。」
そこからがさすが、地元の YBC山形放送だ。「山形県の皆さん、近くの地下に避難して下さい(←周囲は田んぼで地下はないんですけど…)地下がない場合は、近くの頑丈な建物の中に避難して下さい(←今、国道7号線を走っていて、信号は青、車の流れは順調なんですけど…)。建物の中では窓から離れたところに避難して下さい。建物もない屋外では、近くの
以下、繰り返し。国道7号線の車の流れに変化はなく、いつもと同じだった。
ふと思った。山形県には一番安全とされる地下壕や地下室は少ない。自分の知る限りでは庄内では国道7号線と47号線にある周囲が田んぼの数カ所の横断地下道しか思い浮かばない。およそ避難には程遠い。山形市内ですら、山形市役所庁舎の地下1階、山形市済生館前地下駐輪場、山形駅東西地下道、鉄砲町地下横断歩道、そして市内のホテルの数ヶ所の地下駐車場くらいしかないのでは…? 具体的な避難指示の内容が、地域の現状とずれている気がした。
今、世界を見渡すと、ウクライナの国内では、ロシアからいつミサイルが飛んできても不思議ではない。こうやってミサイルの緊急避難情報を伝える J アラートが作動しても、あそこではない、ここはダメだなどと避難場所がないことを
一刻も早い世界平和を願う。
実はその日は
由利高原鉄道は、秋田県で鳥海
写真は黒沢駅 11時08分発の下り列車である。
この写真を撮った直後から、
帰りの車のラジオで、J アラートが発出された時間がミサイル発射後2分経過してからだったことが今後の課題として指摘されていた。
ん~、某国のトップ(独裁者?)の命令を予測することは、自然現象である天気を予測することよりもはるかに難しい。ふ~。
んだの。
(2022年11月)