第2話

文字数 529文字

 姉と表現できる言葉はまあまああると思う。
「お姉ちゃん」「姉さん」「姉貴」「姉上」「お姉さま」など。普段使いできるようなものから時代劇や小説の中でしか使われないような言い方もある。もちろん兄の場合も同様だけれども。

 大人に近くなってくると姉さんや姉貴呼びになってくる人が多いのではないだろうか。
…いや、普通にお姉ちゃんや姉ちゃんって呼ぶ人もいるか。

私は姉のことは姉さんと呼んでいる。昔は違う呼び方をしていたけど。
私のように昔と今とでは姉に対する呼び方が違うなんて人はいないだろうか。


「ねね」
 それがかつての私が姉を呼ぶときの言葉だった。
 どうしてその呼び方になったのか今はもう思い出せないけど、同世代の子たちにもそんな呼び方をしている人は一人もいなくて珍しい呼び方だったことをよく覚えてる。
 確か、その呼び方をほかの誰もしないこととその呼び方がひどく幼い感じがしていつの日か「姉さん」と呼び方を変えたんだったかな。

 ちなみに、「姉さん」と急に呼ばれ方が変わった当の本人は呼び方変えたんだねという一言もなく、まるで最初からそう呼ばれていたかのように何も変わることなく反応していた。多分、姉にとって呼ばれ方というものにこだわりがあるものではなかったからだと思う。
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