(一)-3

文字数 224文字

「麻美の危険日は避けているだろ」
「私は危険日でも全然構わないのに」
「バカ言うな」
 そう言うと、身支度を整えてスーツ姿になった巨勢はベッドに戻り、腰掛けた。
「支払いはしておく。麻美は泊まっていけ。ツケにしてあるから、なにか食いたければ注文してもいいからな」
 巨勢は麻美の顔を見てそう言った。
 麻美は巨勢から目をそらして「そう」とだけ短くつぶやくように言った。
 麻美が返事をすると巨勢はすぐに立ち上がって「じゃあ、また」とだけ残して部屋を出た。

(続く)
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