第2話

文字数 2,518文字

陽菜(ひな)の家の寝室、朝7時ベッドで寝ていた陽菜が目を覚ました。

「頭が痛い」

口にしながら身体を起こした陽菜はズボンをおろしている姿と床で倒れている蒼(そう)に驚いた。

「俺…」

慌てておろしているズボンをあげベッドからおりると陽菜は床で倒れている蒼を見つめた。

その時、蒼が目を覚まし身体を起こした。

「ここはどこだ」

「俺の部屋です」

陽菜が声をかけると蒼は立ち上がり陽菜に目を向けた。

「酔っぱらいの君が俺を運んだのか?」

「覚えてないんです、目が覚めたらベッドに居ました」

「君に水を飲ませたまでは覚えているがその先は覚えてない…」

「聞いても良いですか?」

「何だ?」

「俺達…セ…セ…セックスしてないですよね」

照れながら陽菜が口にすると蒼が口を開いた。

「覚えてないからわからない」

「え…」

「頭は痛くないか?」

「少し痛いです」

「薬は?」

「薬はあります」

取りに行こうと動き出したその時、ふらつき倒れかけると蒼に抱き止められた。

「大丈夫か」

「すみません」

慌てて陽菜が離れると蒼が口を開いた。

「俺が居ない方がゆっくり休めるだろ」

「お世話になりました」

「頭が痛いなら仕事は休めよ」

そう言って寝室から出ようとした蒼はふらつき壁に手をついた。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

陽菜の問いにそう答えると蒼はふらつき倒れた。

「蒼さん!」

慌てて蒼に近づき身体を支えるとベッドに近づき仰向けで寝かせた。

その後、陽菜は引き裂かれた服を脱ぎ新しい服を着ると寝室を出てキッチンに向かった。

それから暫くして蒼が目を覚ますと陽菜が口を開いた。

「大丈夫ですか?」

「頭が痛いのに迷惑かけてしまってすまない」

そう言って蒼が身体を起こすと陽菜がお茶が入ったコップを差し出しながら口を開いた。

「薬を飲んだから大丈夫です、お茶を飲んでください」

「ありがとう」

コップを受け取ろうとコップを掴み手と手が触れると陽菜はドキっとし蒼はお茶を飲んだ。

「生き返ったよ、ありがとう」

「良かったです」

コップを受け取ろうとコップを掴むと再び手と手が触れ陽菜がドキっとし手を離すとコップが床に落ちた。

「すまない」

「俺が悪いんです」

コップを拾うと陽菜は背を向け動き出すと手首に着けている羽のブレスレットが外れ陽菜は築かないまま寝室を出ていった。

蒼は羽に築きベッドからおりると羽のブレスレットを掴み見つめた。

「白い羽、綺麗だな」

口にしながら見つめていると白い羽が光だし蒼は愛し合う悪魔のソウと天使のヒナのせいで消滅した天使と悪魔の姿を見た。

そして蒼は自分が悪魔のソウの生まれ変わりだと知った。

「……」

白い羽の光が消えると陽菜が寝室に戻ってきた。

「立って大丈夫ですか?」

陽菜が声をかけると蒼は振り返り陽菜に近づいた。

「ヒナ…」

「どうして俺の名前を」

「悪魔のこと思い出したんだ」

「悪魔?何を言って…」

言いかけたその時、陽菜は蒼に抱きしめられた。

「蒼さん?」

「俺は悪魔のソウの生まれ変わり」

そう言って陽菜から離れると蒼は白い羽を見せながら口を開いた。

「この白い羽が見せたんだ、悪魔のソウと天使のヒナは愛し合ったそのせいで悪魔と天使は消滅した」

「この白い羽が」

蒼から受け取ると陽菜は白い羽を見つめた。

その時、白い羽が光だし寝室が草原に変わった。

「ここは…」

「……」

驚いた顔で陽菜と蒼が見つめると天使のヒナが現れた。

「あの人…」

驚いた顔で陽菜が見つめると悪魔のソウが現れた。

「ヒナ」

「ソウ」

愛し合うソウとヒナの姿を隠れながらリンが見つめている姿を陽菜は驚いた。

「凛(りん)!」

そして陽菜と蒼はリンのせいでヒナとソウは引き裂かれ天使と悪魔が消滅したことを知った。

その後、草原は消え寝室に変わった。

陽菜は白い羽のブレスレットを手首に着け口を開いた。

「ヒナさんの生まれ変わりだから俺は蒼さんにドキドキした」

「陽菜」

蒼が陽菜の身体に触れようとしたその時、黒い羽が現れ蒼が消えていった。

「蒼さん!」

陽菜が驚いた顔で見つめると蒼は自分の家の寝室に居た。

「黒い羽…」

宙に浮いている黒い羽を掴むと蒼は黒い羽を見つめた。

黒い羽はブレスレットになり蒼は手首に着けた。

その頃、凛と樹も白い羽と黒い羽に出会い思い出すとブレスレットをなった白い羽と黒い羽を手首に着けた。

ー陽菜の家、寝室ー

「蒼さん、大丈夫かな」

突然、消えた蒼のことを陽菜が心配しているとインターホンが鳴った。

「蒼さんかな」

慌てて玄関に向かいドアを開くと蒼ではなくスーツ姿の樹が立っていた。

「あなたは凛と話をしていた人」

「俺は悪魔のイツキの生まれ変わり」

手首に着けている黒い羽を陽菜に見せながら中に入るとドアを閉めた。

「……」

無言で陽菜が見つめると樹は陽菜の手首を掴み口を開いた。

「悪魔の頃、俺はヒナが好きだった」

「……」

「コンビニで君の姿を見て俺は君に心を奪われた」

「手を離してください」

「陽菜さん、俺と」

「離してください、人を呼びますよ」

「……」

無言で樹が手を離すと陽菜が口を開いた。

「俺はあなたと付き合うことはできません」

「理由は?」

「俺は…蒼さんが好きです」

「蒼のどこが良いんだ」

「……」

「何で俺じゃなく蒼なんだ」

そう言って樹は陽菜を押し倒し覆い被さった。

その頃、凛も蒼の家の玄関先で蒼に思いを伝えていた。

蒼も凛に陽菜への思いを伝えた。

「凛の思いは嬉しいが俺は陽菜さんが好きなんだ、ゴメン」

「陽菜には伝えたんですか?」

「伝えてない」

「両思いになれると良いですね」

「……」

「無理かな」

「どういう意味だ」

「樹さんは今、陽菜の家で陽菜に会ってます、意味わかりますよね」

「まさか」

「今頃、陽菜、樹さんの愛を受け入れてるかも」

「ダメだ」

凛を退かせ外に出ると蒼は走って陽菜の家に向かった。

その頃、陽菜は玄関先で樹に全裸にされ愛撫されていた。

「やめてください」

必死に抵抗するも陽菜は樹に愛撫され続けた。

走りながら小さな声で何度も蒼が「陽菜…陽菜…」と口にすると手首に着けている黒い羽が光り蒼を陽菜の家の前に運んだ。

その時、中から陽菜の叫び声が聞こえ蒼はドアに近づき開くと陽菜から樹を離れさせた。
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