第13話

文字数 1,451文字

「酷い」

家族を襲ったアランに向かってキジ猫のキナが口にするとアランは何も言わずキナを部屋に閉じ込めた。

その後、家ごと結界を張るとアランは水晶の剣を床に突き刺した。

「水晶よ、俺に力を授けるのだ」

そう言ってアランは水晶の剣を掴んだまま水晶の力を奪い始めた。

その瞬間、美喜男(みきお)はアランの居場所を突き止めた。

「見つけた」

「どこだ」

「ここだ」

そう言って美喜男は白水晶にうつる三毛猫の家の中を見せた。

「この家の猫達は?」

「追い出されたんだろ」

「キナは居ないですか?」

つぐみと美喜男の会話にミタが入り込むと美喜男が口を開いた。

「ちょっと待って調べるから」

そう言って白水晶で家の中を調べると別の部屋の中に居るキナを見つけた。

「別の部屋に居る、助けるなら今かも」

「俺と美喜男がアランの相手をするからミタさんとダイさんとアキさんはキナさんを助けて」

「わかりました」

つぐみの言葉にミタが返事をすると美喜男が口を開いた。

「皆、俺の側に近づいて」

美喜男の言葉と同時につぐみとミタとダイとアキが近づくと美喜男が口を開いた。

「それじゃ行くよ」

そう言って白水晶に力を込めると美喜男とつぐみとミタとダイとアキはその場から消えアランが居る三毛猫の家の前に姿を現した。

「ここにキナが」

助けに向かおうとミタがドアに触れようとしたその時、美喜男が口を開いた。

「触れちゃダメだ」

「どうしたんですか?」

「結界が張られてる、結界を解かないと」

「俺がやる」

そう言って左右の手を家に向け力を込めるとつぐみは結界を解いた。

その時、アランは感じ取った。

「結界が解かれた」

そう言って床に突き刺している水晶の剣を抜きアランがドアの方に目を向けるとドアが開きつぐみと美喜男が現れた。

「よくここがわかったな」

「俺達をなめないでくれるかな」

そう言って美喜男が白水晶をちらつかせるとアランが口を開いた。

「白水晶か」

「そんな話はどうでもいい、水晶の剣を返せ」

つぐみがアランに向かって口にするとアランが水晶の剣をつぐみに見せながら口を開いた。

「今の水晶は俺の味方だ」

「水晶が敵のお前を味方するわけないだろ」

「証拠を見せてやる」

そう言ってアランが水晶の剣を自分の腹に突き刺すと水晶の剣はそのままアランの身体の中に入っていった。

「水晶が…」

驚いた顔でつぐみと美喜男が見つめるとアランの腹から水晶が現れた。

「これでわかったろ」

口にしながらアランが水晶を掴むと剣に変身した。

そのままアランは剣を振り一瞬でつぐみと美喜男を倒れさせた。

ーキナが居る部屋ー

「つぐみさん、美喜男さん」

ミタがドアの方に振り向き口にするとダイが口を開いた。

「どうした?」

「嫌な予感がする」

「2人に何かあったのかも」

「助けに行かないと」

「ミタ、ダイ、どうした」

小さな声で会話をするミタとダイにアキが声をかけるとミタが口を開いた。

「何でもない、アキはキナを家に連れ帰って」

「一緒に帰らないのか」

「俺達のことは良いからアキはキナを家に連れ帰れ」

「わかった」

ダイの言葉に返事をするとアキはキナを連れて部屋の窓から外に出ていき家に向かった。

部屋に残ったミタとダイは築かれないように部屋を出ていきリビングに向かうと倒れているつぐみと美喜男に驚いた。

「つぐみさん!美喜男さん!」

「ミタ」

アランの気配を感じダイはミタを連れて隠れた。

「ダイ、2人を助けないと」

「今は様子を見るんだ」

そう言ってダイとミタは隠れながらアランに傷つけられながら戦うつぐみと美喜男の姿を見つめた。
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