文字数 527文字

本場5秒前!


ADの声と共に撮影がスタートした


「う〜わ…近くで見るとめっちゃ雰囲気ありますね」


流石に雰囲気があるのか、英司が怖さで顔を引きつらせる。渚も頷く


「そうですね。今は照明さんやスタッフさんがいますが、普段は真っ暗でシーンとして凄く不気味ですよね」


このトンネルは山の中にあり昔、採石場のトラックを通すために使っていたらしい。辺りは山に囲まれて、照明以外は漆黒の闇である。また、木がうっそうと生い茂っているためシーンとしていて、別の世界に入ったような感覚もある


「そうだよねー。でさあ回り見てごらん岩肌でしょ?岩肌ってのは霊現象が起こりやすいんだよ。でもって、この暗さだ。なんかこの世の人間じゃない人達が我々を待ち構えている。そんな感じがしますね〜」


次にトンネル内を見てみる。しかし、真っ暗でどうなっているのか全くわからない。底なし沼のように永遠に闇の世界が続いている感じだ。3人は見えないが目を凝らして中を見ていた


「ちょっと待って…。あのトンネルの奥で黒い影が立ってるんだけど見えないかい?」


潤一がトンネルを指差してそう言った


「えっ?え!?誰かおるって事ですか?」


目を見開き、トンネル内をじっと見る。しかし、影は見えない。渚を見ると不快な表情をしていた

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登場人物紹介

《狩島  英司》

   売れないピン芸人で、『ボッチー』という芸名で活動している。偶然心霊番組からオファーがあり、番組の進行役として出演することになった。幽霊など信じておらず、余裕だったのだが…



《堀垣  渚》

  今、人気急上昇中の新人女優。ドラマやCMなどにも出演し、知名度がある。実は、霊感がありこの番組のレギュラーとして抜擢された。優しく勇気がある。

《稲山  潤一》

  怪談界の重鎮。心霊番組や怪談のツアーを多数出演している。今回の番組のレギュラーとして抜擢された。とにかく怪談と怪奇現象が大好きで怖い話を誰かにしたくてたまらない。

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