ひとりでもセラキュア……

文字数 524文字

シリーズ化展開を決定づけた第二作目。
前作の反省点から人数削減──今度は〝ひとり〟となる。
誰にも秘密を明かせず孤独に戦い続ける主人公の痛ましさは到底『女児向け変身アニメ』とは思えず、どちらかと言えば『改造人間ヒーロー』に近いヘビーな雰囲気であった。

その作風を反映してかエピソードも『環境汚染』『地球温暖化』『経済破綻』『家庭崩壊』果ては『職場不倫』『育児ノイローゼ』など重いテーマとなり、翌日憂鬱な気分で登校する女児が増える──しかしながら、それは「人生って何だろう?」「正義って何だろう?」と深い考察癖を年少期に植付ける〝要らない情操教育〟へと結実し、文部省推薦のお墨付きを頂く事となる。
日常に友達もいない鍵っ子主人公が毎回〝物〟に話しかける演出も話題となったが、エンディング後に流されるレシピコーナー『今日の便所飯』は「実用性がある!」と一部の中高生視聴者から強い支持を受ける。

最終回、究極必殺技で因果地平に飛ばされるラスボスから断末魔の思念を一身に浴びさせられた主人公は〝現実〟を受け止め切れずに精神崩壊──「何かしらアレ? 流星かしら? いえ、流星はもっとバーッと……アハハハハハ★」
この最終回もまた『伝説』と化して次回作への継続が決定する。
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