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文字数 659文字

 すると、右手に雪のトンネルが出来ていた。
成る程。洞窟かと思ったら、木の枝が雪の重さでしなり。そこに雪が積もり、トンネルの様に成っていたのだ。面妖な。
この様な物が有るとは、と私はそのトンネルを歩き出した。風や雪にさらされずに歩けるので地面が少し滑るが、中々快適に前へと進めた。寒さも和らいだ気がする。

 ここで立ち止まって、吹雪を凌いでも良いのだが。私は雪女(便宜上、確信はない)
の言葉通りに先を急いだ。
 すると言った通りに、小屋が見えた。
そうだ、山にありそうな小屋だった。
こんな所にポツンと一軒家、
と私は呟いた・・・。

「クロ魔王とグレでもいるのかな?」

そんな感じの山小屋だった。
 私は立ち止まり、どうしたもんかと悩んだ。
さて、この小屋に入れば。いよいよ最終局面である事は、紛れもない事実だ。
この先ホラーに成るのか、SFに成るのか、
ミステリーに成るのか。
小屋の中に全てがかかっている。
だからそろそろ、私の目的を話すべき時が来たと確信して、私は語ろうと思う。
 私の目的は!

「修行である」

いやいや、勘違いしないでほしい。
私は空手家でもないし、アメリカンフットボールの選手でもないし、エスパーでもないし、
○リマーでもない。唯の人である。
 人生を語る時、人はこう言うであろう。

「人生とはこれ、全て修行であると」

だから私は雪山に登った。
それ相応の装備を買って、それなりに基礎知識を読み漁り。知り合いの登山家のアドバイスをもらい。これなら大丈夫、と思える山を選んだのだ。
なのに、山の天気は変わりやすいと言うのを、地でいってしまった。
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