7.引っ越して行った男の子
文字数 398文字
一緒のお祝いは24日にするか、25日にするか、それをどうやって決めるか相談はなかなかまとまらなかったんですが、その必要はなくなってしまいました。
木の葉が赤や黄色に色づく頃、クリスの一家が引っ越すことになったからです。
「行っちゃうの?」
「うん。……新しいおうちに着いたら手紙を出すね」
青と白のしまもようのトラックの前で二人は言葉を交わします。お母さん同士も名残惜しそうです。
「せっかく仲よくなれたのに」
「本当に。パパの仕事が転勤が多いんでかわいそうなんです」
トラックが出て行ってからしばらく経って、小さくて丸い黄色のクルマにお父さんが乗って、お母さんが乗って、それからクリスが乗りました。
「さようなら」
「さようなら、クリス。元気でね」
「イヴもね」
クリスは窓から身を乗り出すようにして手を振りました。
クミンも顔を出して悲しげに鳴きます。
イヴは追いかけていきたいのをようやくこらえました。
木の葉が赤や黄色に色づく頃、クリスの一家が引っ越すことになったからです。
「行っちゃうの?」
「うん。……新しいおうちに着いたら手紙を出すね」
青と白のしまもようのトラックの前で二人は言葉を交わします。お母さん同士も名残惜しそうです。
「せっかく仲よくなれたのに」
「本当に。パパの仕事が転勤が多いんでかわいそうなんです」
トラックが出て行ってからしばらく経って、小さくて丸い黄色のクルマにお父さんが乗って、お母さんが乗って、それからクリスが乗りました。
「さようなら」
「さようなら、クリス。元気でね」
「イヴもね」
クリスは窓から身を乗り出すようにして手を振りました。
クミンも顔を出して悲しげに鳴きます。
イヴは追いかけていきたいのをようやくこらえました。