1.

文字数 505文字

 私は不幸な星のもとに生まれた貧乏神である。外見はとってもキュートな女の子で、性格はちょい肉食系の恋愛体質。思いやり深く、相手に尽くすタイプだ。
 でも、貧乏神であるがゆえに、私は自分が好きな人を、必ず貧乏で不幸な境遇に陥れてしまう。好きな人を不幸にしてしまうなんて、これほどまでに残酷な運命を背負った女が他にいるだろうか。
 自分の(さが)があまりに辛くて、私が愛したために死んじゃった彼氏が百人に達した時…(この百番目くんは、パチンコにはまって作った借金がもとで犯罪を起こして有罪判決を受けて以来、酒浸りになり、それがもとで体を壊して死んだ)、涙にくれながら神様の中の最高位の、一番尊いお方の足元にひれ伏して、衣のすそにすがりながら訴えた。もうこんな悲しいことは嫌ですって。
 そうしたら、「ふむ」とその尊いお方は、首を傾げて考え込まれて、
「確かにそれは不憫な星回りじゃ。私からほんの小さな幸運を授けても、世の均衡になんら障りはないであろう」
 って、おっしゃられた。
 そして、小さな小さな、でも暖かく光る幸運の種をくださった。
 今、それは私の一部になっている。その翌日、私は百一番目の大好きな彼氏と出会うことができた。
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