第6話

文字数 563文字

戸建てに住んでいた西村君に呼び出され行ってみると、玄関で額に生卵を投げつけ割られた。
西村くんは血友病を患っており、
激しい運動は出来なかったが、給水塔マニアで一緒にあちこちの給水塔へ赴いては侵入できれば内部から登っていた。
弟が転校生の海老澤兄弟とともにレタス畑の保温の為のビニールに傘で穴を開けたと賠償沙汰になった。
近くに出来た新しい雇用促進住宅のポンプ小屋では、助走をつけ、屋根によじ登る際に汚した靴底のドロが、これは落ちない、弁償だ、と、管理人に脅された。
極めつけは、僕らはあちこちの資材置き場で遊んでいたが、そこの重機のガラスが割られていた事件だった。
僕らはガラスを割った覚えはなかったが、そこに出入りしてる事を認めると、職員室に呼び出され、大好きだった大塚先生という初老の教師に、壁のカレンダーに頭を打ち付けられなが、「思い出せ!」とやられた。
これはかなりショックだった。
結局、海老澤兄弟の仕業だった事がわかったが、誰からも何の謝罪もなかった。
うちの親より、海老澤兄弟の親のが稼ぎが良かった様だった。
僕ら疑われた数名は、「無罪」と紙に書いて、いちいち校舎を歩きまわらねばならなかった。
いや、その効果より、テレビドラマの真似をしたかったのかもしれない。
受難。
最後に襲ってきたのは、僕ひとりに向かい、恐ろしく鋭敏な物だった。
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