第4話 「自由」
文字数 522文字
自分は自由がほしい。今日から死ぬまで続く自由がほしい。金や地位や土地や時間や人にしばられぬ自由がほしい。
過去から現代までの間、最も人間が自由を得られたのはいつだろう。 世界中の地域で最も自由が得られるのはどこだろう。
およそ自由を防げるものは
住宅ローン等の借入金
罪を犯したることから来る制限
家業を継ぐこと
住居を変えられぬこと
自由な時間を持たぬこと
何であれ義務を負うこと
決められた時間に起きねばならぬこと
等が思い浮ぶ。
自由とは何か。
自由になることは不自由か。家も家財も家族も捨て誰もいない山中に住まうことは自由か、不自由か。
生物の中で食糧以外のものを蓄えるのは人間だけだ。
今年の春、心が最も痛かった晩のこと、家路へたどる橋から黒々と流れる恩田川から突然一羽のかもがほとんど暮れてしまった西空へ飛び立った。
それはカルガモで、たった一羽だった。
これは何も背負うていない。何も持っていない。それゆえ、どこへ飛んで行こうと、自由だ。
この時に悟った。
自分は物を持っているから不自由なのだ。車も家も財も全て捨ててしまえばいい。
この時ほど自分が心底自由を求めている事に気づいた事はなかった。
Date 1997.11.26
過去から現代までの間、最も人間が自由を得られたのはいつだろう。 世界中の地域で最も自由が得られるのはどこだろう。
およそ自由を防げるものは
住宅ローン等の借入金
罪を犯したることから来る制限
家業を継ぐこと
住居を変えられぬこと
自由な時間を持たぬこと
何であれ義務を負うこと
決められた時間に起きねばならぬこと
等が思い浮ぶ。
自由とは何か。
自由になることは不自由か。家も家財も家族も捨て誰もいない山中に住まうことは自由か、不自由か。
生物の中で食糧以外のものを蓄えるのは人間だけだ。
今年の春、心が最も痛かった晩のこと、家路へたどる橋から黒々と流れる恩田川から突然一羽のかもがほとんど暮れてしまった西空へ飛び立った。
それはカルガモで、たった一羽だった。
これは何も背負うていない。何も持っていない。それゆえ、どこへ飛んで行こうと、自由だ。
この時に悟った。
自分は物を持っているから不自由なのだ。車も家も財も全て捨ててしまえばいい。
この時ほど自分が心底自由を求めている事に気づいた事はなかった。
Date 1997.11.26