第2話
文字数 549文字
「じゃあ、もう一回初めから……スタート」
学年主任の先生の号令で再び『ギネスに挑戦』がリスタートされる。子供たちの動きを見れば、この日のために何度も練習を重ねてきたのが分かる。それにこの挑戦は三回までと決められていて、みんなの心の中に『これを失敗したら後がない』と刻みこまれた覚悟が読み取れる。
生唾を呑み込んだ一組の先頭少年が、玉を大皿に乗せた。
1人、2人……隣の人間と呼吸を合わせて1人、また1人と大皿に玉を乗せていく。再び城戸の番が近づいてくる。
「城戸、大丈夫だ、ビビッてんじゃねーぞ!」
大きな声が体育館中に跳ね返る。
「秋海くん、大きな声出しちゃいけません」
「ちぇっ、そういう先生だって、でかい声じゃん」
秋海と呼ばれた生徒は、注意されて少し極まりが悪そうにして呟くと、周囲では少し笑いが起きる。それが功を奏したのか、城戸は成功の流れを断ち切ることなく、大皿へと玉を乗せた。
「おっとととっと……危ねー」
秋海はわざとらしく大袈裟に腕と身体を揺らし、玉を大皿の上で暴れさせる。
「秋海くん、ふざけないで」
「ちぇっ、また俺かよ……小鳥遊 は真面目かっつーの」
悪態をつく秋海の顔は口ほど険しくない、寧ろ喜んでいる節さえ見受けられる。
秋海の視線の先に居る小鳥遊瑞稀 はスラっと背の高い美少女だった。
学年主任の先生の号令で再び『ギネスに挑戦』がリスタートされる。子供たちの動きを見れば、この日のために何度も練習を重ねてきたのが分かる。それにこの挑戦は三回までと決められていて、みんなの心の中に『これを失敗したら後がない』と刻みこまれた覚悟が読み取れる。
生唾を呑み込んだ一組の先頭少年が、玉を大皿に乗せた。
1人、2人……隣の人間と呼吸を合わせて1人、また1人と大皿に玉を乗せていく。再び城戸の番が近づいてくる。
「城戸、大丈夫だ、ビビッてんじゃねーぞ!」
大きな声が体育館中に跳ね返る。
「秋海くん、大きな声出しちゃいけません」
「ちぇっ、そういう先生だって、でかい声じゃん」
秋海と呼ばれた生徒は、注意されて少し極まりが悪そうにして呟くと、周囲では少し笑いが起きる。それが功を奏したのか、城戸は成功の流れを断ち切ることなく、大皿へと玉を乗せた。
「おっとととっと……危ねー」
秋海はわざとらしく大袈裟に腕と身体を揺らし、玉を大皿の上で暴れさせる。
「秋海くん、ふざけないで」
「ちぇっ、また俺かよ……
悪態をつく秋海の顔は口ほど険しくない、寧ろ喜んでいる節さえ見受けられる。
秋海の視線の先に居る小鳥遊