体温計(3/25)

文字数 228文字

毎朝
彼は
体温計を
眺める

毎朝
同じ
体温だから
安心して
家を出る

飲み過ぎて
だるい朝も

早く寝て
爽やかに目覚めた朝も

同じ体温なんて
なんだか
オカシイ

体調と体温がイコール
とは思わないけど
やはり
オカシイ

数字に
頼るはずが
ずっと
数字が同じだから
体を信じるようになる

大事なことは
体温よりも
体調だろう

段々
数字に
飽きてきた

来る日も
来る日も
同じなんだから

そろそろ
体温計が
壊れたことに
気づきそうなものだけど
彼は気付かない

数字の支配から
抜け出したから
体温計はどうでもいいのだ

でも
念のため
計る
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み