1、ジャンル迷子脱出法教えます!
文字数 5,541文字
こんにちは。
漫画家の森脇かみんです。
今回も私主催で漫画家さんをゲストにお呼びし、お話を聞いていきたいと思います。
第三回目のゲストは「清水しの」先生です。
よろしくお付き合いください。
パネリストへの質問は21時より 可能となります
皆様、よろしくお願い致します。
「かみんの部屋」司会進行を務めさせていただきます
森脇かみんです。
みなさま、よろしくおつきあいくださいませ。
ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)にて「構成/松永きなこ」執筆の他、ゴーゴーバンチにて「メシノトモ」を連載中の作家さんです。
清水しのと申します。
はい。キャリア5年目に突入しました漫画家です。
デビューは実は女性誌の読み切りだったんですが、初連載からずっと青年誌にやや女性向けのコメディ作品を描いています。
そうなんです。青年誌での連載までのルートをざっくり説明しますと、
会社員→女性誌で読み切り掲載→ネーム通らず&連絡途絶える(1年くらい)→二次創作する(1年くらい)→1作描き上げてコミティア出張編集部へ→女性誌を回っていたが青年誌を勧められその場でイブニングへ→連載決まる→二次創作やめる→そのまま青年誌に骨を埋める…。
という流れです。
状況が変化するきっかけとしては、コミティアの出張編集部ですね。
でもその時も女性誌ばかり回っていたんですが、とある編集者の方に「うちのカラーじゃないから載せられないけど、青年誌に持って行ったら?」と言われたんです。
「ほらそこにイブニングさん来てるから次行きなさい」と指差されて。
今の清水先生の方向を決めた幻の編集者さんのお話ですねw
そうです!
どこの編集部だったかもなぜか思い出せないんですが、その編集者さんがいなかったら絶対青年誌で描いてないですね。描いてたとしてもかなり遠回りしたと思います。
で、青年誌に持ち込んだ後に、さらに今にいたるきっかけが?
それでイブニングに持って行って担当さんがついて連載に至りました。
イマジナリー編集者さんが言う通り女性誌よりも青年誌が向いているのかどうかは、自分ではわからないまま初連載だったのですが、やっぱり最初は葛藤がありました。
葛藤やっぱりあったんですね。
うん。読んでもらって反応もらわないとなかなか難しいですよね。
でもそのブレがだいぶマシになったのが、初連載が終了したときです。
2巻で終わった…んじゃなくて1部完したんですが、この作品で自分のお客さんは誰なのかがだんだんわかって来たんです。
コミックス1巻が出た時に、買ってくれた人を細かく分析してもらったデータを見せてもらったんですが、7割女性でした。その方たちが他に一緒に買っている本が半分以上BLだったんですね。
もちろん今後描く作品で変化もすると思うんですけど、ここまで明確にデータで出ると、もう私のお客さんはここだなと。
安寧を得ました。
でももちろん多分この後の段階もあって、「自分の作品を楽しんでくれる人」以外の人にも受け入れられると大ヒットになって行くんだろうなあと。
でもまずは自分の作品を好きになってくれる読者さんに向けて、地道に作品を作って行けばいいのだと。
はい。そこがスタート地点かなと。
でもほんとに誰に向けて描いていいのかわからなくて色んなブレを体験したのが初連載でした。
とっても勉強になりましたし担当さんにめちゃくちゃお世話になりました。
一番大きいのは装丁です。
装丁ってそれこそ「誰に買ってほしいのか」が一番大切だと思うんですが、そこがわかってなかったので…。
漫画の内容を装丁でうまく語らないといけないのによくわからない集合絵を描いてしまって。
なので初連載作品の「狼少年は嘘をつかない」は1巻と2巻で全くデザインが違います!
こんばんわーたくじです!
清水先生に質問です
>コミックス1巻が出た時に、買ってくれた人を細かく分析してもらった
データを見せてもらったんですが、7割女性でした。
その方たちが他に一緒に買っている本が半分以上BLだったんですね。
これは偶然なんでしょうか?
それともBL漫画等を清水先生が描いたことがあり
引っ張られたということでしょうか
もし理由を分析しているならお聞かせいただけると嬉しいです
ほんとうですね。2巻の表紙の方がすごくコンセプトがはっきり見える感じがします。
たくじ先生こんばんは!
ご質問ありがとうございます。
>これは偶然なんでしょうか?
それともBL漫画等を清水先生が描いたことがあり
引っ張られたということでしょうか
もし理由を分析しているならお聞かせいただけると嬉しいです
これは偶然ではないですね。
私はBL読みますし好きなので。
ただ描く方は、BLといえばBL…か…?というくらいのものしか描けないんです。これめっちゃ悲しい。
でもその潜在的BL愛好は作品に出てると思います。
あくまでBLではないんですが「BL的な関係性」に萌えがあるというか。
質問にお答えいただきありがとうございます
なるほど~にじみ出る何かが出たのですね
これも作家性というやつでしょうか
やはり萌えは大事ですね!!
>かみん先生
ほんとうですね。2巻の表紙の方がすごくコンセプトがはっきり見える感じがします。
そうなんです。
こうやって並べると作品の内容を表紙でどのくらい伝えられるかが一番重要な気がします。
その時はわからなくて担当さんを困らせましたが…。
ただ自分が好きな絵描いてるんじゃないよ…っていうね…。
売るための表紙を考えたことがないと、その発想にはいたりにくいですよね。
「メシノトモ」はかなり詳細に取材して描かれていらっしゃる印象を受けるのですが、
どういった経緯で大正時代の洋食という題材にたどり着かれたのでしょうか?
お聞かせいただけますと幸いです!
そうですね。自分の読者さんがそこだ!というのはあれど、男女の区別だけで漫画は作れないわけですよね。
まずは描きたいジャンルがあって、きなこだと「TV業界お仕事もの」メシノトモだと「大正と飯もの」。それにまずは注力しています。
>秋谷さん
はじめまして。
ご質問ありがとうございます〜!
「メシノトモ」はかなり詳細に取材して描かれていらっしゃる印象を受けるのですが、
どういった経緯で大正時代の洋食という題材にたどり着かれたのでしょうか?
「メシノトモ」はですね…。
もともと「大正時代の洋食」という部分よりは、「対立する立場の2人が食事の時だけ休戦する」という関係性を描きたい!という方が先だったんです。
その後まったく別の件でインドの独立戦争とカレーの伝来の関係を調べていまして、そのうち大正時代って洋食沢山あった事に気づきまして。
先にあがっていた「対立する立場の2人が食事の時だけ休戦する」と組み合わせたらいけるのでは?とつながったのがたどり着いた経緯です。
飯ものというジャンルはもうたくさん作品が出ているので、よっぽど自分がこれ好き!描けそう!という切り口じゃないと楽しく参戦できそうにないと思っていたんですが、今回ははまりました(自分の中で)。
描くのも調べるのもとても楽しいです。
>かみん先生
自分の読者さんは大事にしつつも、そこを意識しすぎず、自分の描きたいジャンルを追求するのも大事だと思います。
というかそのくらいで結果ちょうどいいというかですね…。
そうですね!結局自分の描きたいジャンルを描けばいのかなと。
これものすごくポジティブな妄想…ていうかイマジナリー読者かもしれませんが。
妄想じゃないといいなと思いつつ好きなことがんばって描きます!
続きは
明日24日の20時から再開いたします
のでよろしくお願い致します。
それまでも、
質問など随時受け付けておりますので皆様よろしくお願い致します。
途中都度、質問にお答えすることもありますので。
詳細に取材されているので、もともとその時代がお好きな線もあるのかなと思っていましたが
関係性先行だったのは意外でした…!
メシノトモ、これからも楽しみにしております!
かみん先生、清水先生、いつもお世話になっております。地由です。
座談会、毎回楽しく拝見しております。
読者層は意識しつつも、大事なのは「自分の描きたいジャンル」だというお話、たいへん参考になります。
清水先生の場合は、読者層は女性が多いものの、描かれるジャンルとしては青年誌向けの作風だったということですね!
座談会の続きが待ち遠しいので、せっかくですので質問をさせて頂きます。
後ほど詳しく語られるお話だとは思うのですが、清水先生が原作つき漫画を描かれることになった経緯が気になります。
また、原作の形式はどのようなもの(シナリオ?ネーム?)なのでしょうか?
その原作から漫画に描き起こす際に、清水先生がこれは気をつけている!というこだわりポイントはどこでしょうか?
>地由さん
こんばんは!
ご質問ありがとうございます。
清水先生が原作つき漫画を描かれることになった経緯が気になります。
また、原作の形式はどのようなもの(シナリオ?ネーム?)なのでしょうか?
その原作から漫画に描き起こす際に、清水先生がこれは気をつけている!というこだわりポイントはどこでしょうか?
ちょうど本日2日目の話が、原作付き漫画についてです!
経緯や実際の作業工程、気をつけていること等お話ししますね。
もしその中でさらにご質問ありましたらさらにお答えしますので、是非書き込んでください!