1、ジャンル迷子脱出法教えます!

文字数 5,541文字

1月23日  20時00分開始予定


こんにちは。

漫画家の森脇かみんです。

今回も私主催で漫画家さんをゲストにお呼びし、お話を聞いていきたいと思います。

第三回目のゲストは「清水しの」先生です。


よろしくお付き合いください。

本日 20時より開始

パネリストへの質問は21時より 可能となります

皆様、よろしくお願い致します。
それでは、時間になりました。今回も始めさせていただきますね。


「かみんの部屋」司会進行を務めさせていただきます
森脇かみんです。
みなさま、よろしくおつきあいくださいませ。

今回のゲストは清水しの先生です!

ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)にて「構成/松永きなこ」執筆の他、ゴーゴーバンチにて「メシノトモ」を連載中の作家さんです。 

よろしくお願いいたします〜!

清水しのと申します。

よろしくお願いいたします!
清水先生とは「東京ネームタンク」「漫画新連載研究会という場所で知り合いまして、今回のゲストを快くお引き受けくださいました。
いつもお世話になっております。
こちらこそお世話になっております。
では、清水しの先生のプロフィール、お聞きしてもよろしいですか?

はい。キャリア5年目に突入しました漫画家です。

デビューは実は女性誌の読み切りだったんですが、初連載からずっと青年誌にやや女性向けのコメディ作品を描いています。

おお、デビュー女性誌だったんですね。

そうなんです。青年誌での連載までのルートをざっくり説明しますと、


会社員→女性誌で読み切り掲載→ネーム通らず&連絡途絶える(1年くらい)→二次創作する(1年くらい)→1作描き上げてコミティア出張編集部へ→女性誌を回っていたが青年誌を勧められその場でイブニングへ→連載決まる→二次創作やめる→そのまま青年誌に骨を埋める…。


という流れです。

へー…って、最後、死んでますよ?! 骨埋まってますよ?
うん…死んでますね…。
初連載までは、青年誌作品は完全にコミックス派で、雑誌は女性誌しか買ってなかったので、青年誌に掲載されるというイメージが全くなかったんですが、いまはもう青年誌で描くのがしっくり来ているということです!
そもそも、女性誌持込みをしていたところから、青年誌に骨を埋めるところまできてしまったのは、どういう気持ちや状況の変化があったのか、気になります。

状況が変化するきっかけとしては、コミティアの出張編集部ですね。

でもその時も女性誌ばかり回っていたんですが、とある編集者の方に「うちのカラーじゃないから載せられないけど、青年誌に持って行ったら?」と言われたんです。

「ほらそこにイブニングさん来てるから次行きなさい」と指差されて。

あ、それは以前お聞きしたことあります。
今の清水先生の方向を決めた幻の編集者さんのお話ですねw

そうです!

どこの編集部だったかもなぜか思い出せないんですが、その編集者さんがいなかったら絶対青年誌で描いてないですね。描いてたとしてもかなり遠回りしたと思います。

でも本当になぜか思い出せないんですよね…どこの雑誌だったか…。
ほんとうに実在したのでしょうか? もしかしたら清水先生を導くスピリチュアルな存在だったのかもしれないですよ?w
イマジナリー編集者的な…。
(いかん、つっこみ不在だ。話を戻そう)
で、青年誌に持ち込んだ後に、さらに今にいたるきっかけが?

それでイブニングに持って行って担当さんがついて連載に至りました。

イマジナリー編集者さんが言う通り女性誌よりも青年誌が向いているのかどうかは、自分ではわからないまま初連載だったのですが、やっぱり最初は葛藤がありました。

(イマジナリー編集者……気に入ってる)

葛藤やっぱりあったんですね。

青年誌を読む女性が増えたとはいえ、やっぱりイブニングは男性読者の方が多い雑誌だったので、自分の描きたいものそのまま描いたら嫌われそうという懸念ですね。
それは、やはり最初に想定していた読者が女性なので、ということですかね?
そうですね。単純に女性誌でしか描くイメージがなかったっていうのもありますし、その時は自分の作品の「明確な読者像」というものを全くイメージできていなかったからだと思います。
「明確な読者像」確かにデビュー前だと誰に向けて描くかまで考えている方は多くないかもしれないですね。

うん。読んでもらって反応もらわないとなかなか難しいですよね。

でもそのブレがだいぶマシになったのが、初連載が終了したときです。

2巻で終わった…んじゃなくて1部完したんですが、この作品で自分のお客さんは誰なのかがだんだんわかって来たんです。

と、おっしゃいますと?
21時を過ぎました。ここからは視聴されている皆様からの質問も受け付けます。何かご質問ありましたら、書き込みよろしくお願い致します。

コミックス1巻が出た時に、買ってくれた人を細かく分析してもらったデータを見せてもらったんですが、7割女性でした。その方たちが他に一緒に買っている本が半分以上BLだったんですね。

もちろん今後描く作品で変化もすると思うんですけど、ここまで明確にデータで出ると、もう私のお客さんはここだなと。

そのデータを得た時点でかなり心が楽になりました。
そういうところまですごく気をつかわれて、データをみることで、ご自身の強みを理解でき、安心したということでしょうか?
はい〜!

安寧を得ました。

でももちろん多分この後の段階もあって、「自分の作品を楽しんでくれる人」以外の人にも受け入れられると大ヒットになって行くんだろうなあと。

でもまずは自分の作品を好きになってくれる読者さんに向けて、地道に作品を作って行けばいいのだと。

自分を嫌いな人より、まずは自分を好きでいてくれる人を大事にしていくの大事だと思います! 漫画にしろなんにしろ。

はい。そこがスタート地点かなと。

でもほんとに誰に向けて描いていいのかわからなくて色んなブレを体験したのが初連載でした。

とっても勉強になりましたし担当さんにめちゃくちゃお世話になりました。

色んなブレ。初連載だと色々あったかと思いますが、ご自身でこれは、と思うエピソードとかありますか? もちろん話せる範囲で大丈夫です。

一番大きいのは装丁です。

装丁ってそれこそ「誰に買ってほしいのか」が一番大切だと思うんですが、そこがわかってなかったので…。

装丁! ほほう。それはとても興味あるお話です。

漫画の内容を装丁でうまく語らないといけないのによくわからない集合絵を描いてしまって。

なので初連載作品の「狼少年は嘘をつかない」は1巻と2巻で全くデザインが違います!

こんばんわーたくじです!

清水先生に質問です


>コミックス1巻が出た時に、買ってくれた人を細かく分析してもらった

データを見せてもらったんですが、7割女性でした。

その方たちが他に一緒に買っている本が半分以上BLだったんですね。


これは偶然なんでしょうか?

それともBL漫画等を清水先生が描いたことがあり

引っ張られたということでしょうか

もし理由を分析しているならお聞かせいただけると嬉しいです

>なので初連載作品の「狼少年は嘘をつかない」は1巻と2巻で全くデザインが違います!


ほんとうですね。2巻の表紙の方がすごくコンセプトがはっきり見える感じがします。

たくじ先生こんばんは!

ご質問ありがとうございます。


>これは偶然なんでしょうか?

それともBL漫画等を清水先生が描いたことがあり

引っ張られたということでしょうか

もし理由を分析しているならお聞かせいただけると嬉しいです


これは偶然ではないですね。

私はBL読みますし好きなので。

ただ描く方は、BLといえばBL…か…?というくらいのものしか描けないんです。これめっちゃ悲しい。


でもその潜在的BL愛好は作品に出てると思います。

あくまでBLではないんですが「BL的な関係性」に萌えがあるというか。

質問にお答えいただきありがとうございます

なるほど~にじみ出る何かが出たのですね

これも作家性というやつでしょうか

やはり萌えは大事ですね!!

>かみん先生

ほんとうですね。2巻の表紙の方がすごくコンセプトがはっきり見える感じがします。


そうなんです。

こうやって並べると作品の内容を表紙でどのくらい伝えられるかが一番重要な気がします。

その時はわからなくて担当さんを困らせましたが…。

ただ自分が好きな絵描いてるんじゃないよ…っていうね…。

自分が好きで描いた絵と、書店で手にとってもらえる表紙は違うというのは、どうしてもありますよね。漫画新連載研究会の先日の特別講座でも話題になった話ではありますね。
売るための表紙を考えたことがないと、その発想にはいたりにくいですよね。
少し話は戻りますが、清水先生の読者層が最初の連載でわかったということだったんですけれど、今描かれている「構成/松永きなこ」「メシノトモ」にしろ、そこまで女性向けに描かれているという気はしないのですが、いかがでしょう?
はじめまして! 秋谷と申します。

「メシノトモ」はかなり詳細に取材して描かれていらっしゃる印象を受けるのですが、

どういった経緯で大正時代の洋食という題材にたどり着かれたのでしょうか?

お聞かせいただけますと幸いです!

aquivalli

そうですね。自分の読者さんがそこだ!というのはあれど、男女の区別だけで漫画は作れないわけですよね。

まずは描きたいジャンルがあって、きなこだと「TV業界お仕事もの」メシノトモだと「大正と飯もの」。それにまずは注力しています。

なるほど! 見るべきポイントは「ジャンルということですね!

>秋谷さん

はじめまして。

ご質問ありがとうございます〜!


「メシノトモ」はかなり詳細に取材して描かれていらっしゃる印象を受けるのですが、

どういった経緯で大正時代の洋食という題材にたどり着かれたのでしょうか?


「メシノトモ」はですね…。

もともと「大正時代の洋食」という部分よりは、「対立する立場の2人が食事の時だけ休戦する」という関係性を描きたい!という方が先だったんです。


その後まったく別の件でインドの独立戦争とカレーの伝来の関係を調べていまして、そのうち大正時代って洋食沢山あった事に気づきまして。


先にあがっていた「対立する立場の2人が食事の時だけ休戦する」と組み合わせたらいけるのでは?とつながったのがたどり着いた経緯です。


飯ものというジャンルはもうたくさん作品が出ているので、よっぽど自分がこれ好き!描けそう!という切り口じゃないと楽しく参戦できそうにないと思っていたんですが、今回ははまりました(自分の中で)。

描くのも調べるのもとても楽しいです。

>かみん先生

自分の読者さんは大事にしつつも、そこを意識しすぎず、自分の描きたいジャンルを追求するのも大事だと思います。

というかそのくらいで結果ちょうどいいというかですね…。

清水先生が好きで描かれたことが、清水先生の作品を好きな読者さんにもはまって、結果として、ご自身が好きなことと読者さんの好きなことが一致した、現在の状況がある、という感じなんですねー。

そうですね!結局自分の描きたいジャンルを描けばいのかなと。

これものすごくポジティブな妄想…ていうかイマジナリー読者かもしれませんが。


妄想じゃないといいなと思いつつ好きなことがんばって描きます!

(次はイマジナリー読者……だと?)
といったところで、本日の座談会はお開きにさせていただきます。
続きは

明日24日の20時から再開いたします

のでよろしくお願い致します。


それまでも、

質問など随時受け付けておりますので皆様よろしくお願い致します。

途中都度、質問にお答えすることもありますので。

清水先生、ご回答ありがとうございます!

詳細に取材されているので、もともとその時代がお好きな線もあるのかなと思っていましたが

関係性先行だったのは意外でした…!

メシノトモ、これからも楽しみにしております!

aquivalli

かみん先生、清水先生、いつもお世話になっております。地由です。

座談会、毎回楽しく拝見しております。


読者層は意識しつつも、大事なのは「自分の描きたいジャンル」だというお話、たいへん参考になります。

清水先生の場合は、読者層は女性が多いものの、描かれるジャンルとしては青年誌向けの作風だったということですね!


座談会の続きが待ち遠しいので、せっかくですので質問をさせて頂きます。

後ほど詳しく語られるお話だとは思うのですが、清水先生が原作つき漫画を描かれることになった経緯が気になります。


また、原作の形式はどのようなもの(シナリオ?ネーム?)なのでしょうか?


その原作から漫画に描き起こす際に、清水先生がこれは気をつけている!というこだわりポイントはどこでしょうか?


(なんだか質問多くなってしまいました・・・。一度に答えられないと思いますので、ご回答は小出しにして頂いて結構です!)

>地由さん

こんばんは!

ご質問ありがとうございます。


清水先生が原作つき漫画を描かれることになった経緯が気になります。

また、原作の形式はどのようなもの(シナリオ?ネーム?)なのでしょうか?

その原作から漫画に描き起こす際に、清水先生がこれは気をつけている!というこだわりポイントはどこでしょうか?


ちょうど本日2日目の話が、原作付き漫画についてです!

経緯や実際の作業工程、気をつけていること等お話ししますね。

もしその中でさらにご質問ありましたらさらにお答えしますので、是非書き込んでください!

ちょうどいい質問でしたね。では、長くなりますので、ここからは章を変えまして、清水先生に原作つき漫画についてのお話をお聞きしていこうと思います。
以降の質問や、回答へのコメントなどは次のエピソードでお願い致します。

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登場人物紹介

森脇かみん


漫画家。『東京ネームタンク』ネーム相談講師。


web、アプリ漫画「サイコミ」にて医療漫画「サブカルメディカル」でデビュー、連載。

連載終了後は企業案件漫画など。その他、漫画連載を企画中。

某医大医学部を中退し、漫画家になるため上京した過去を持つ。

医療知識があるので、その方面の質問に応えることもある程度可能。

日本シャーロック・ホームズ・クラブに所属する程度にミステリ好き。

清水しの(しみずしの)


漫画家。


山形県出身。 

イブニング(講談社)より「狼少年は嘘をつかない」で連載デビュー。 

ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)にて「構成/松永きなこ」執筆の他、ゴーゴーバンチにて「メシノトモ」を連載中。 


デビュー時は犬好きだったがここ数年で猫沼に落とされる。 犬と暮らす野望はまだ捨ててない。


HP  http://shinoshino.info 

Twitter @doro10mizu

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