第5話 5杯目

文字数 811文字


 僕は今、禁酒に挑戦している。
 本当なら毎晩、がぶがぶハイボールを飲みたいのだが……肝臓が悲鳴を上げているのだ。
 血液検査で、”ガンマGTP”という数値が、200を超えてしまった。

 これは最後に酒を飲んだ夜の出来事だ。
 ひょっとしたら、しばらくこの作品を更新できないかもしれません。
(酒が飲めないので)

 その日も僕はハイボールを浴びるほど、飲み終えて寝室に向かった。
 ベッドにダイブしたところまで、記憶はちゃんと残っているのだが……。

 翌朝、自室に入って、パソコンを起動しようとした瞬間。
 違和感を感じた。
 デスクチェアに見慣れないモノが、置いてあったから。

 ひとつは僕のメンズパンツ。そして何故か女物のブラジャー。
 どう考えても奥さんの下着だ。
 しかし、なぜそれが僕のデスクチェアに?

 ピンク色のブラジャーを手に持ち、考え込んでいると奥さんが声をかけてきた。

「あ、味噌くん。まだそれ持ってるの?」
「え? どういう意味?」

 妻が言うには、昨晩僕がそれを持って、リビングに現れたそうだ。
 大体、酔っぱらった時。僕はトイレに行ったあとの奇行が激しい。

 妻がリビングでスマホを触っていると、トイレに入る僕を見かけたそうだ。
 そして次に見かけたときは、なぜか自身のパンツと妻のブラジャーを持って、フラフラと立っていた。
 当然、妻は声をかける。

「ね、ねぇ……なにしてんの?」
「うぅ……着替える」

 誤解がないように説明させて頂きたい。
 この時、僕は上下ちゃんと服を着ています。

「着替えるって、それ。私のブラなんだけど?」

 妻がそう指摘すると、僕は「ふぇ?」と言いながら、ブラジャーを黙って見つめていたそうです。

「あぁ……」

 そして、自室に入ると、タンスに戻す余力が無かったようで。
 近くにあった、デスクチェアへ放り投げたそうな……。

 真相を知った僕は、とりあえずタンスの中に下着を戻しました。
 皆さんも飲み過ぎには、気をつけましょう!
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