誕生日がいつも楽しいとは限らない

文字数 751文字

 でも・・・。
 私は今料理の仕込みをしている。
一人で家で台所でやっている。
私は独身ではない。しかし、一人だ。 
 理由は簡単、嫁が子供を連れて、実家に帰ってしまったのだ。遊びでも里帰りでもなく。
私が浮気をした為に、怒って出ていってしまったのだ。こういうのを何帰り?というのだろうか。かれこれ、2週間も帰ってこない。

 電話をしても出てくれない。メールもラインも。実家のお母さんに電話しても。話したくないそうよ、と笑って言われる。
笑うところか?!と怒る訳にもいかない。
私が悪いのだ100%、私が浮気をしたのが悪いのだ。

 私は、そんなにモテる訳でも、女好きでもない。どちらかというと、マイホームパパ。家庭を大事にするタイプだ。
ならば何故浮気など?と言いたいだろう。
これは事故だ、魔が差したのだ。
男にはそんな日が、あったりなかったりするのだ。いやその誘いに乗った私が悪いのだ。
今でも妻を愛しているし、子供も愛している。
 なのに何故、私は・・・。泣きたくなった。

 何とか時間を戻したい。いや関係を修復したい。戻ってきてくれ〜、と呼べど叫べど。
私は一人ぼっちだ。
 暗く落ち込んでいたら仕事にも支障が出る。
そこで私は、妻の怒りが鎮まるのを待つ事にした。待っていたら、そのまま終わるかも知れない。それならそれでも良い!ちくしょう〜。
と家で考えていた。

 安いマンションの賃貸だ。だが一人では広過ぎる。妻のお陰で、どれ程快適な生活が出来ていたのかを痛感した。
 何より食事が大変だ。学生以来、自炊などした事が無かった。私は就職して県外へ出た時。お袋に、お袋の味のレシピを書いてもらった記憶があった。
だが、あまりにも多い食材と調味料に辟易して、自炊を諦めた程だ。
私は料理には向いていないのだ。
 どちらかと言うと、仕事人間なのだ。
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