第1話

文字数 596文字

信じたい

人の手は
殺すためにあるのではない
奪うためにあるのではない
殴るためのにあるのではない と
信じたい

人の手は
赤子をやさしくいだき
傷ついた者を支え
病んだものに手を差し伸べ
悲しんでいるものを抱きしめ
死者の頬にそっと添えられる
ためにあるのだ と
信じたい

ファンレターさまの紹介と私のコメント
優しさは掌に

春風のような優しさと温かみのある詩ですね。ことわざの「握れば拳開けば掌」とあるように同じ人間の手でも、心の持ちようで変わるものなのだと思いました。人が手を握りしめる時、それは人を殴る時、それは武器を持つ時、それは悔しさにじっと耐える時。人が手を開く時、それは人を愛す時、それは手を繋ぐ時、それは許し認める時…慈愛に満ちた心でいれば、結んだ拳も優しく開き、掌に変わるのでしょう。本来、人の手はふんわりと優しく開いていた方が楽なのですから…私も人を信じたいと思います。

 作者から

 とても素敵なコメント、ありがとうございます。
確かに諺の通りですね。人が拳を握りしめる時、それは心が強張っているときであり他者を敵視し、拒絶し、警戒しているときですね。逆に手を開いているとき、それは他者を受け入れ、繋がり、歩み寄り、寛容な心になっているときです。昔、何かの歌詞に「ハンド イン ハンド」という言葉があったと記憶しますが、どうしたら世界中が共感と共生によってお互いに手を開き、繋がることができるのでしょうか。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み