第4話

文字数 463文字


「おーい。神咲さん、ちゃんと話を聞いてる?」
 女子みたいな言い方をする男子学生。わざとなのかグイグイと来る。
 彼女さんがいるかもしれないのに他の人に話しかけたり至近距離はどうかなぁ・・・・・・。
 せっかく男子学生から話しかけてくれたのにも関わらず、全く話が耳に入らない。
「神咲さん、次の体育祭。学年対抗リレーでアンカーなんだけど一位を取ったらーーー」
「ん? なに?」
「彼女さんになってくれない?」
 やっと我に返った私は、男子学生の話を聞けるようになった。
 最後に何を言ったのか分からない。
 だから質問をしてみるとまさかの『彼女さんになってくれない?』と返ってきた。
「か、かかか、彼女さんがいるんじゃないですか?」
「ん? いないよ。何その、情報」
 あっさりと彼女さんらしき存在を消し去った男子学生。クスッと笑窪が見えた。
 なんて格好いいんだろう。
 頭のネジが外れたようにボーッと固まる私であった。

 改めて付き合うことになった私と男子学生。のちに友達から情報は誤りだと謝られてしまった。

END
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