第1話
文字数 418文字
魔法使いは後悔していた。自らの魔法で自らの国を滅ぼしてしまったことに、心を痛めていた。
「いつまでそうしているんだい」
砂漠と化した元・住処の跡地で座り込む姿に、使い魔のフクロモモンガが呆れ声で問いた。魔法使いのローブのポケットからドライマンゴーをくわえたまま主人の顔を見上げる仕草は、まったく心配しているようには見えない。
「キミが望んだんだろう?」
「……これじゃない」
「やれやれ、ワガママだねぇ」
風に乗って砂ぼこりが舞う足元に作った焚き火が消える。魔法使いは立ち上がり、真っ暗な空を見上げた。
「なにか見えたかい?」
「いや、なにも」
「ご主人、キミはどうするんだい?」
「愚問。もう決まっている」
「……時間転移魔法は禁忌じゃなかったっけ?」
「咎めるヒトが、いないからね」
魔法使いの足元に、新しい魔法陣が描かれた。
「次は、キミと友達になりたいな」
使い魔の言葉に、口元が自然に弧を描いた。
「……魔法が使われる前の時代に、我を飛ばしたまえ」
「いつまでそうしているんだい」
砂漠と化した元・住処の跡地で座り込む姿に、使い魔のフクロモモンガが呆れ声で問いた。魔法使いのローブのポケットからドライマンゴーをくわえたまま主人の顔を見上げる仕草は、まったく心配しているようには見えない。
「キミが望んだんだろう?」
「……これじゃない」
「やれやれ、ワガママだねぇ」
風に乗って砂ぼこりが舞う足元に作った焚き火が消える。魔法使いは立ち上がり、真っ暗な空を見上げた。
「なにか見えたかい?」
「いや、なにも」
「ご主人、キミはどうするんだい?」
「愚問。もう決まっている」
「……時間転移魔法は禁忌じゃなかったっけ?」
「咎めるヒトが、いないからね」
魔法使いの足元に、新しい魔法陣が描かれた。
「次は、キミと友達になりたいな」
使い魔の言葉に、口元が自然に弧を描いた。
「……魔法が使われる前の時代に、我を飛ばしたまえ」