セリフ詳細
作品タイトル:自主製作物語 - 夢追いどもの軌跡
エピソード名:「STYLE HB」宴の後
★19|学園・青春|連載中|3話|10,104文字
自主製作, アフレコ, ロケハン, 撮影風景, 貧乏, 青春
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自主製作
それは、総合芸術の極みともいえる。
21世紀になりしばらくした頃、東京の世田谷区を中心に映画を撮りまわる三人の男女がいた。
一人目の男は、喜馬 大地(よしま だいち)
21歳
映画監督志望の男
代々木公園の先にある、業界では結構有名な映像制作専門学校の卒業を間近に、その卒業制作と各地で催される映画祭への応募作品を撮りためて日々を過ごしている。
台本、絵コンテ、演出、カメラ、音声、編集、その他もろもろの作業を一人でこなす映画馬鹿。おまけに実家は貿易関係の会社を営む、かなりのお坊ちゃまでもある。
もう一人の男は、三船 空(みふね そら)
21歳
シナリオライター志望の男
高校卒業後からフリーターをしながら、渋谷、池袋の界隈を生き抜いてきたいろいろと謎の多き男。19歳の頃に大地が自主映画の撮影で渋谷を訪れた際、知り合い伝手でエキストラとしてそれに参加したことがある。その時にお互いの名前から親近感を持ち、以後何かにつけて連絡を取り合っていた。そうして大地の自主映画を手伝ううちに、気がつけば映画のシナリオを書きたいと思いはじめる。そうして二年、最近では大地の作品のほとんどのシナリオを手掛けるまでになった。
メンバー紅一点、草薙 海(くさなぎ うみ)
19歳
女優志望の女
現在は大学に通いながら、アルバイトでコールセンターに勤務している。生まれは博多。大地と空との出会いは、つい最近になって行った、大学の英会話サークルの打ち上げ会でのスカウト。隣の席で飲んでいた大地と空に声をかけられて、今回はじめて自主映画に参加する。もともと高校時代に演劇をしていた経験があったが、いろいろと面倒なことが重なり夢を諦めていた。
最初に声をかけてきた空に少し気があるのだが、それをまるで気に留めてもらえないためかなりイライラしはじめている。
そんな三人の、青い春の物語