舞台は人口流出の止まらない、自然あふれる田舎町。男尊女卑の思想がうっすら残る地域社会で、浪人生の文（あや）は祖母の営む稲荷屋を手伝うために、都会の親元を離れて単身転居する。しかし、とある出来事をきっかけに、文は勉強する気力を失ってしまう。
怠惰な日々を過ごす文のもとに、ある日突然不思議な狐の神様が現れ、契約を持ち掛ける。「文、ともに天下を取りに行こう」
男の姿にも女の姿にもなる美しい狐の神様は、実は４００年の眠りから覚めた戦神だった──！？稲村家に宿る守り狐の金と銀、絶品のいなり寿司をつくる優しい祖母の力も借りて、ごく普通の少女が天下を取りに行く物語。

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。