セリフ詳細

西田にとっては、〈はたらき〉が「神」だと言った。

さて、第四編「宗教」へ踏み入ろう。

そこでは、繰り返し、神は宇宙の根本だと語られる。

ここで、「神」を一般的な意味での神だと受け取らないでくれよ。頼むから。

西田の言う「神」とは、言葉を足すなら、

「この宇宙に宿る、この宇宙をこの宇宙たらしめている根本的な〈はたらき〉」ということになる。

カルロ・ロヴェッリ流の量子重力理論でいうなら、

その〈はたらき〉がなければ、そもそも宇宙がこのようには成立していない、相互作用、関係性のことになる。

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む③

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

17,179 views

哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。