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だから西田は言う。

【余は神を宇宙の外に超越せる造物者とは見ずして、ただちにこの実在の根底と考えるのである。】(P402)

西田はキリスト教についても独自の解釈をするから、

西田流のキリスト教解釈は脇へ置くとして、

一般論で言うならさ、キリスト教の神は、世界の「外」にいるよね。

だって、この世界を造った、ってことはさ、そういうことなんだから。

ところが西田の言う「神」は、この世界をこのように立ち上げている根本的な〈はたらき〉のことなんだから、世界内在的、世界の内側にあるものなんだ。

普通、神とは、この世界を超越する存在者なんだが、

西田の場合、超越者ではなく、内在する〈はたらき〉

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む③

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。