セリフ詳細

にんげんの足はくさいの。他の動物は足なんかくさくならないのに、にんげんだけが、なぜかくさいの。


お姉ちゃんが子供のころ、お兄ちゃんと、おじちゃん、ばばちゃんと一緒に温泉に家族旅行に行ったの。

お姉ちゃんはお兄ちゃんと一緒の部屋で寝たの。

そこで、お兄ちゃんはベッドに寝ながら、お姉ちゃんに背中を向けて、自分の足のにおいをかいでいたの。

お兄ちゃんは

「足のにおいって、くさいけどおもしろいなあ」

と思っていたけど、その時はまだ、お兄ちゃんにも恥じらいというのがあって、お姉ちゃんにばれないように、こっそり嗅いでいたの。

でも、お姉ちゃんはすぐにわかって、

「おまえ、なにやってんのよ~」

ってからかったら、お兄ちゃんは

「いいべや」

って言って、ごまかしながら笑っていたの。

実はお姉ちゃんは、ずっと前からお兄ちゃんが足のにおいをかいでいることを知っていたけど、だまっていたの。

それは、お姉ちゃんも自分の足のにおいをかいでいたからなの。


作品タイトル:ミーメの日記

エピソード名:第1話

作者名:仰木 利奈  ohgirina

3|ファンタジー|連載中|1話|631文字

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言葉をしゃべる猫のぬいぐるみのミーメから見た、人間のおかしさ、滑稽さを味わい下さい。
飼い主であるアケミお姉さんに叩かれながらも、人間社会をあり得ない視点で解釈し子馬鹿にしながらしゃべりたがるミーメに、どこか同情できるあなたは、ミーメに人間のありのままの何かを気づかさせてもらえるかもしれません。