ホモサピエンスのさらに亜種

[現代ドラマ・社会派]

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たった一葉の妻の写真にあろうことか僕は恋に落ち、そして狂わされた。

 恋に狂った僕は、工能知人《くのうともひと》にこの恋煩いの相談する。

「なるほど、この頃のきみの奥様に会いたいんだね。それじゃあ、きみの奥様に関する写真や文字などの記録媒体と遺伝情報を持ってきなさい」

 暫く経って工能知人から連絡があり、できたので取りに来いという。
 行って受け取ったのは変わった形のメガネだった。

「これは?」

 彼は言った。

「イリュージョナブルだ」

 それは、若かりし日の妻が、あの頃の妻が僕の前に現れる魅力的なアイテムだった。