セリフ詳細

「何ぶんにも、その強盗が、ただの野盗や山賊などではございません、いずれも屈強な男ばかりでみな覆面しておりましたが、中にもひときわ背のすぐれた頭目などは、われわれどもを、まるで小児の如く取って投げ、近寄ることもどうすることもできません。――しかもその行動はおそろしく迅速で、規律正しく、われわれの乗馬を奪って跳びのるが早いか、その頭目の号令一下に、馬の群れに鞭を加え、風のように逃げてしまったのです。……あまりに鮮やかなので、不審に思って、内々、取調べてみますと、われわれの手には及ばなかったはずです。――その覆面の強盗どもは、実は、小沛の劉備玄徳の義弟、張飛(ちょうひ)という者と、その部下たちでありました」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第54話、張飛、呂布の馬、二百頭を盗む

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。