セリフ詳細

「ずっと以前――私の少年の頃ですが、郷里の楼桑村に来て、しばらく滞在していた盧植(ろしょく)という人物があります。私は、その盧植先生について、初めて文を学び、兵法を説き教えられたのです。その後先生はどうしたかと、時おり、思い出すのでしたが、近頃うわさに聞けば、盧植先生は官に仕えて、中郎将(ちゅうろうしょう)に任ぜられ、今では勅令をうけて、遠く広宗(こうそう)(山東省)の野に戦っていると聞きます。――しかしそこの賊徒は、黄匪(こうひ)の首領張角将軍直属の正規兵だということですから、さだめしご苦戦と察しられるので、これから行って、師弟の旧恩、いささかご加勢したいと思うのです」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第11話、初陣

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。