セリフ詳細

「不幸、山東を流寓(りゅうぐう)して、それがし逆境の身に、世間の軽薄さを、こんどはよく味わったが、昨日今日は、実に愉快でたまらない。尊公の情誼(じょうぎ)にふかく感じましたよ。――これというのも、かつて、この徐州が、曹操の大軍に囲まれて危殆(きたい)(ひん)した折、それがしが、彼の背後の地たる兗州(えんしゅう)を衝いたので、一時に徐州は敵の囲みから救われましたな。――あの折、この呂布がもし兗州を襲わなかったら、徐州の今日はなかったわけだ。――自分の口からいっては恩着せがましくなるが、そこをあなたが忘れずにいてくれたのは実によろこばしい。いい事はしておくものだ」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第43話、兗州奪還、楊彪の陰謀

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。