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「すでに閣下の胸三寸にもおありでしょうが、要するに、関羽が油断しないのは、陸口の堺に、あなたのような呉でも随一といわれる将軍が虎視眈々(こしたんたん)と控えておるからです。仮病をとなえて、閣下が職を退き、名もない将を交代させて、ひたすら荊州の鼻息を恐れるが如き様子を見せれば、関羽の心もいよいよ驕(おご)って、遂にはここの兵を樊城のほうへ廻すにちがいありません。――呉の大進出はまさにその時ではありませんかな」
作品タイトル:三国志
エピソード名:第142話、矢傷と油断
作者名:畑山 hatakeyama
★126|歴史|完結|156話|1,238,935文字
三国志
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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化 幾分、内容文章を変えています。