セリフ詳細

「時は今なりと信じます。なぜならば、なるほど曹操の兵馬は強堅ですし、彼の用兵奇策は(あなど)りがたいものですが、ここようやく、彼も慢心をきざし、朝野の人々にうとまれ、わけて先頃、国舅(こっきゅう)董承(とうじょう)以下、数百人を白日の都下に斬ったことなど、民心も離反しているにちがいありません。ですが、時が経てば、離れた民心も曹操になびき、またさらに曹操の軍備も増強されるでしょう。儒者の論に耳をとられて、今を晏如(あんじょ)として過ごしていたら、悔いを百年にのこすでしょう」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第71話、関羽と赤兎馬

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。