「多年の宿志を達して、いまこそ私は名君にめぐり会ったここちがしています。粉骨砕身、この上にも不才を傾けて忠節を誓っております。ひそかに思うに、呉の諸将は、みな周瑜に心から服しているのは少ないかに考えられます。周都督をうらんで、機もあればと、反り忠をもくろむもの、主なる大将だけでも、五指に余ります。それがしが参って三寸不爛の舌をふるい、彼らを説かば、たちまち、旗を反して、丞相の下へ降って来ましょう。しかる後、周瑜を生け捕り、次いで劉備を平げることが急務です。――呉も呉ですが、劉備こそは侮れない敵とお考えにはなりませんか」