セリフ詳細

「いかさま、この長期にわたって、お味方の艱苦(かんく)たるや、言語に絶したものに相違ございませんが、城中の者の不安と苦しみもまた、これ以上のものに違いありません。今は、籠城の者と寄手の根くらべです。城中の兵は、退くに退けない立場にあるだけ、覚悟においては、寄手以上の強味をもっている。――ゆえに、寄手の将たる者は、夢々帰る都があるなどと自身も思ってはならないし、兵にも思わせてはならないのです。――しかるに、丞相おん自らそのように気を落して、いかで諸軍の心が振いましょうか」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第60話、陳宮の最後、呂布の最後

作者名:畑山  hatakeyama

111|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。