セリフ詳細

「そうです。功いよいよ高きほど、ご自身は、退謙(たいけん)をお示しあるべきです。しからずんば、せっかく、三十余年、旗に漢室への忠誠をかざし、口に万民のためと称しながら、結局、あなたご自身の慾望に過ぎなかったということになりましょう。弱冠、生死の迷妄(めいもう)を捨て、百戦苦闘、今日を築いてきながら、その精神と節操を、門の飾りや往来の見得などと取替えるなどは、実につまらぬ人生の落ちではありませんか」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第121話、器

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。