セリフ詳細

「そちの狼藉を(とが)めまい。孝子の情に免じて、ここの無礼はゆるしおく。――しかし家中一藩、ひとつ(あるじ)をいただく者は、すべて兄弟も同様ではないか。甘寧がむかしそちの父を討ったのは、当時仕えていた主君に対して忠勤を尽したことにほかならない。今、黄祖は亡び、甘寧は、呉に服して、家中の端に加わる以上――なんで旧怨をさしはさむ理由があろう。そちの孝心は感じ入るが、私怨に執着(しゅうじゃく)するは、孝のみ知って、忠の大道を知らぬものだ。……この孫権に免じて、一切のうらみは忘れてくれい」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第88話、敵討ち

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。