セリフ詳細

「むかし匈奴(きょうど)の勢いがさかんな頃、しばしば中国を侵略して、時の漢朝も悩まされていた時代があります。当時天子は御涙をのんで、(いと)しき御女(おんむすめ)の君をもって、胡族(えびす)の主に(めあ)わせたまい、一時の和親を保って臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、その間に弓馬をみがいたという例もあります。また元帝が王昭君(おうしょうくん)胡地(こち)へ送ったはなしも有名なものではありませんか。――なんで提督には、今この国家の危殆(きたい)にのぞみながら、民間の二女を送るぐらいなことを、そう惜しんだり怒ったりされるのですか」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第95話、周瑜の決断

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。