セリフ詳細

「実を申せば、以前、それがしは新野において、劉皇叔(りゅうこうしゅく)と主従のちぎりを結び、その折うけたご厚恩は今もって忘れ難く、身は曹操の陣へおいても、朝暮、胸に銘記いたしておる。――ただこれ一人の老母を曹操にとらわれたため、やむなくその麾下(きか)に留まっていたものの、今はその老母も相果ててこの世にはなく、もはや、曹操のためになにかをしてやるきもありません。また、もし、呉が破れるようなことがあれば、ご高恩のある劉皇叔(りゅうこうしゅく)の身も危うくなります。ですから、このことを誰にもいう気はありませんので、ご安心ください」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第100話、連環の計

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。