セリフ詳細

「――王法に(しん)なし、諸将はただよく職分に尽せ。いま魏の曹操は、朝権を奪って、その罪のはなはだしさ、かの董卓(とうたく)にもこえるものがある。内には、天子を許昌の府に籠め奉り、外には暴兵を派して、わが呉をも侵さんとしておる。この賊を討つは、人臣の務めたり、また正義の擁護である。それ戦いにあたるや、功あるは賞し、罪あるは罰す。正明(せいめい)依怙(えこ)なく、軍に親疎(しんそ)なし、奮戦ただ呉を負って、魏を破れ。――行軍には、まず韓当(かんとう)黄蓋(こうがい)を先鋒とし、大小の兵船五百余艘、三江の岸へさして進み陣地を構築せよ。蒋欽(しょうきん)周泰(しゅうたい)は第二陣につづけ。凌統(りょうとう)潘璋(はんしょう)は第三たるべし。第四陣、太史慈(たいしじ)呂蒙(りょもう)、第五陣、陸遜(りくそん)董襲(とうしゅう)。――また呂範(りょはん)朱治(しゅち)の二隊には督軍目付の任を命ず。以上しかと違背あるな」


作品タイトル:三国志

エピソード名:第96話、呉軍の出陣と周瑜の嫉妬

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。