セリフ詳細

「今日の大事は、もちろん将来にあります。将来を(おもんぱ)かるとき、君たる者はその臣を選ばねばならず、臣たらんとする者も、その君を選ぶことが、実に生涯の大事だろうと存ぜられる。――それがしは(つと)にあなたの名を慕っていたが、お目にかかる折もなかったところ、ご承知のとおり呉の先主孫策のあとを継がれて、まだお若い孫権が当主に立たれた。こう申しては、我田引水(がでんいんすい)とお聞きかも知れぬが、主人孫権はまれに見る英邁篤実(えいまいとくじつ)のお方で、よく先哲の秘説をさぐり、賢者を尊び、有能の士を求めること、実に切なるものがある」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第76話、孫策の死

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。