セリフ詳細

「実は、単福と申す名は、故郷の難をのがれてきたときの仮名(かりな)です。まこと私は、潁上(えいじょう)の生れ徐庶(じょしょ)(あざな)元直(げんちょく)と申すものです。初め、荊州(けいしゅう)の劉表は当代の賢者なりと聞いて、仕官に赴きましたが、ともに道を論じても、実際の政治を見ても、無用の凡君なりと知りました。で、一書をのこして、同地を去り、悶々(もんもん)司馬徽(しばき)が山荘に行って、事の次第を語りましたところ、水鏡(すいきょう)先生には、拙者を叱って、――汝、眼をそなえながら、人を見るに何たる不明ぞや。いま新野に劉予州あり、行いて予州に仕えよ――とのおことばでした」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第85話、徐庶

作者名:畑山  hatakeyama

111|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

232,865 views

青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。