セリフ詳細

「おそらく漢朝の隆盛はもう過去のものでしょう。かえって寄生木(やどりぎ)たる曹操(そうそう)のほうが次第に老いたる親木を()い、幹を太らせ、ついに根を漢土に張って、繁茂(はんも)してくること必然でしょう。――それに対して、わが君は静かに時運をながめ、江東の要害を固うして、河北の袁紹(えんしょう)と、鼎足(ていそく)の形をなし、おもむろに天下の(げき)をうかがっておられるのが上策です。一朝、時来れば黄祖(こうそ)を平げ、荊州(けいしゅう)の劉表を征伐し、一挙に遡江(そこう)の態勢を拡大して行く。曹操はつねに河北の攻防に暇なく、呉の進出を妨げることはできません」

作品タイトル:三国志

エピソード名:第76話、孫策の死

作者名:畑山  hatakeyama

126|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。