「わが夫を殺した者は、辺洪ということになっているが、妾は信じません。真の下手人は、都督媯覧です。卜のうえでいうのではない、証拠のあることです、そなた達へ向って、口にするも恥かしいが、媯覧は妾に道ならぬ不義をいどみかけているのです。そこで調べてみると、辺洪は媯覧に首を切られる前に、約束がちがう。この悪党め。張本人は、貴様たちでないか。といっていたそうです。おそらく、辺洪に殺させて、その罪をすべておっかぶせたのでしょう。晦日の夜に来るように約束してあるので、そのときは、妾の声を合図に、躍りかかって、良人の仇を刺して賜も。どうかこの身に力をかして賜もれ」