主人公、藤原伊織は中性である。この世界では人は生まれた時から中性であり、小学校、中学校までには男性か女性か無意識下で選択し男性、女性の人生を歩む。しかし稀に二十歳になるまでに男性、女性どちらにもなれない中性は亡くなることがわかっていた。親友の有賀雄平は男性へ、幼馴染の三樹日和は女性になった。伊織はどちらにもなれない自分と葛藤し雄平と日和との関係を通して男性、女性、自身の価値観が揺れ動く。中性は特別な能力があり、老若男女問わず魅了することができた。それゆえ国家から人を超える人種として危険視されていた。
　二十歳を過ぎても死なない中性が存在する。ジョーカー、キング、ジャック、エース、クイーンの称号をもった中性だ。ジョーカーはこれら称号をもった中性を監視し支配していた。藤原伊織はキングの称号を持ち、ジョーカー（大空ひな）と対峙し、最終的に称号をもったジョーカー、キング、ジャック、エースは亡くなり終わる。